吊られた男のカードは、大アルカナの12番目に来るカードで、札の名前からして、何か苦しく悲惨な状況をイメージさせるカードです。実際、数あるタロットカードのほとんどで、足を縛られ、逆さまに吊られた男性が描かれています。カードの意味するところも、忍耐や試練、損失や屈服といったネガティブなものが少なくありません。ただ、人生には忍耐や試練がつきものであり、自分ではどうにもならない状況、まさに足を縛られて身動きが取れないような境遇に陥る場面もあるでしょう。吊られた男のカードは、自己犠牲や献身、慈愛の精神を意味することもあります。自分よりも相手の事、身の回りを優先する献身的な姿勢を表していて、自分を犠牲にしても他者を助ける、何かのためになる、という状況が暗示されているのです。
この人物は、吊るされることによる身体の逆転というよりは、心の逆転を表しています。現状に満足できずに人生に抗うような行動をとることが本当に必要かどうか、時には自然体で物ごとのなりゆきに身を任せることによって、解決の糸口を見つけることができるかもしれません。また、黙々と行動をすることが大切な時期もあります。このカードは、上手くいかない時に静かに時が過ぎるのを待つのも良いことを教えてくれるでしょう。また、何かに行き詰った時や、試練と感じるときほど、考え方を変えて冷静に事態を分析する必要があります。試練の時に、「なんで自分ばかり…」と悲観ばかりしていると、打開策は見つかりません。発想の転換を図って、試練も自分の為になると考えていくことによって、良い考えが浮かび、新しい道が開けてくるのではないでしょうか。
忍耐、犠牲、試練、後悔、努力、苦労、屈服、無力、後退、妨害、自己犠牲、困難、障害、救済、成果、良い結果、奉仕、慈愛、身動きが取れない状態、悪い意味ばかりではなく、将来的には報われる
正位置での解釈は、人生には、自分の力ではどうしようもない状況が襲ってくることがあると教えてくれています。そこでジタバタするよりは、ちょっと小休止、動けないなら動かずに休む、という考え方です。自分の思いを抑えるとうまくいくこともあると告げています。また、自分を犠牲にしても尽くしたいと思うような人物が現れることも暗示されていて、相手が自分にふさわしい人かどうか、自分を犠牲にして尽くすだけの価値ある人物かどうかを見極めるのが大切です。そうすることで、これまでの自己犠牲が報われて、それにふさわしい結果を手にすることができるでしょう。
これまで自分が信じて思っていたことが、まるで陳腐な事だった様に感じられる、そんな心境の変化が訪れるかもしれません。今は相手に尽くすことで相手との信頼関係が生まれる時です。落ち着いた優しい心で、視野を広げていくことによって、物事の全体的な形を見渡すことができるようになるでしょう。何かに固執して自分を狭めていくのではなく、広い心で受け入れること、人の役に立つことがこれからの道を切り開くカギとなります。努力をすること、そして耐え抜くことを忘れてはいけません。困難を受け入れ、自分の気持ちをセーブする言動を心がけましょう。自分一人が頑張っているわけではなく、周りの人も頑張っている、そのことに気づいていくことも大切ですよ。
苦悩、苦痛、無駄な犠牲、骨折り損、限界、悲観、いらだち、物質的な問題への没頭、盲目、失敗、困難、狭い視野、遠い恋愛、疲労、傲慢、誤った予告
逆位置での解釈は、ダメなものはダメと達観する姿勢も大切と教えてくれています。自分の存在価値を誇示するために、状況を顧みずあれこれ行動を起こしても、物事がうまく運ぶことはありません。広い視野をもって取り組むことが重要になります。知らず知らずのうちに傲慢な態度になっていませんか。物事が上手くいかなかったり、周囲の賛同を得られなかったりするときは、あなたの傲慢な態度が原因になっているかもしれません。そんな時は、努力や頑張りが裏目に出て、計画が良い方向には進まないでしょう。他の可能性を探ってみるのも一つの方法です。
自分では何もできず、誰かの助けが必要な時かもしれません。何をしてよいかわからず、路頭に迷ってしまう可能性も。新しい方向に意識が向かってしまうと、集中して今のことを続けていくことが困難になり、これまでの努力と苦労が無駄になってしまうかもしれません。問題や障害が益々増えて、大変な思いに駆られ、悲しい気持ちになってしまいそうです。しっかりと自分の過去と向き合ってみてください、過去の経験の中から問題解決のヒントを得ることができるでしょう。物事が上手く運ばないのは、今の考え方が間違っているからかもしれません。それを認めることも大切です。
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