夢占いとは夢が持つメッセージを読み取る世界最古の占い

夢占いとは、夢に出てきた人物や状況から現在の心理状態や過去を判断する一種の占いです。

普段何気なく見ている夢には、様々な意味やメッセージが隠れています。 ときには忠告であったり、ときには予言であったり。 それらを紐解くことで自分と向き合ったり未来を変えられたら、素敵だとは思いませんか？ 夢占いは無限の可能性をひめているのです！

夢占いによって診断するためには、夢を正確に覚えておくことが不可欠です。 朝起きたらすぐに夢の内容をメモする癖をつけ、夢からのメッセージを見逃さないようにしましょう。 夢の内容が正確に思い出せなければ、「怖かった」や「嬉しかった」などの印象だけでもかまいません。 夢日記をつけて、夢の分析を行うための重要な手掛かりにしてください。

夢占いでは、夢の中で登場した一番印象的なものをシンボルとして夢の中身を解釈します。

シンボルとは、人々が抱く一般的なイメージの象徴のことです。 たとえば、「水」はすべての生命の源なので生命力や再生といった「始まり」の象徴、「車」は自分自身を表す象徴と解釈されます。

ただし、夢を見た人がシンボルに対して抱く感覚によって解釈が異なってくることもあることを覚えておいてください。 たとえば、猫の夢は嫉妬やマイナスの感情の象徴とされますが、猫好きな人が見た場合は意味が異なってきます。 一般的な猫のイメージとは異なるので、夢占いの解釈とは合わないのです。

その国の文化によってシンボルの意味が異なってくるため、シンボルの解釈が東洋と西洋では異なる場合もあります。

また、トイレに行きたい時にトイレの夢を見るなど、環境に由来する夢は占いの対象にはならないので要注意。

夢に出てくるシンボルから夢を判断するためには、自分なりの解釈が必要不可欠といえるでしょう。

「夢は、心の奥に存在する魂の声が聞ける場所です。自我意識よりさらに深い魂の声が聞けて、私たちが何を欲しいのか理解できるのです」といったのは、スイス出身の精神科医・心理学者であるユングです。 彼は、潜在意識の深い部分にある深層心理について研究し、通称「ユング心理学」と呼ばれる分析心理学を創始したことで知られています。 そして、無意識が夢として表れるのだと考えました。

ユング心理学で有名なのが「集合的無意識」です。 国や民族を超えて、全人類には共通した無意識が存在するという概念ですね。 そして、その集合的無意識に共通するパターンを以下の「元型」に分類しました。

1. ①グレートマザー（母親的なもの）
2. ②ワインズマン（父親的なもの）
3. ③アニマ（男性が抱く女性像）
4. ④アニムス（女性が抱く男性像）
5. ⑤シャドウ（自分とは逆なもの）
6. ⑥ペルソナ（自分自身）

ユングは、夢に出てきたシンボルが６つの元型のなかのどれかということに着眼し、夢分析を行いました。 これが、今日の夢占いの基礎となっています。

夢占いは、人類史上最も古く歴史がある占いだといわれます。 眠っている間に人は夢を見ると認識されたときから夢占いは始まったのです。 大昔は、夢は神々からのメッセージだと考えられていました。

夢占いに関する書物で最古のものは、紀元前８世紀に書かれたギリシア最古の文学作品「イリアス」です。 夢の送り手が最高神ゼウスであり、夢を読み解く「夢判断師」が実在したと書かれているんですよ。

2世紀末頃に書かれたギリシア人アルテミドロス著の「夢判断の書」も重要な書物。 古代ギリシア人の夢に現れた様々な事象の解釈や、夢判断師であった息子へ向けた解説が書かれています。

聖書にも、夢占いに関する逸話が多く登場。 有名なのは旧約聖書の「ヨセフの夢」でしょう。夢占いで現実を当ててしまうという能力をもったヨセフの波乱万丈な物語です。

東洋にも、古代中国の王朝・周の周公旦が夢の解釈にまつわる伝承をまとめて編ませた「周公解夢全書」という夢判断の書があります。

このように夢占いの歴史は非常に古く、世界中に夢占いに関する書物が残っているのです。

夢分析を学術的研究として始めたのは、かの有名なオーストリアの精神医学者、ジークムント・フロイトです。 1900年に発表された彼の著作である「夢判断」には、夢から深層心理を解き明かし、精神分析をする研究がまとめられています。 フロイトは、それまで迷信と考えられてきた夢について初めて科学的な研究を行い、 「満たされない願望や欲望が別の形で現れたものが夢である」と解釈しました。

フロイトは多くの患者を精神分析するなかで、「性エネルギーこそが人間の活力源」だと考えるようになりました。 そして、日常生活のなかで無意識に抑えられた性欲が夢となって現れるのだと解釈したのですね。 フロイトによると、夢に出てくるシンボルは性的なものの象徴だということになります。

占いというと科学的ではなさそうですが、フロイトの「夢判断」は精神分析学および心理学に裏付けられた科学的な診断なのです！

夢占いの結果が当たっていないと感じる場合、その夢は正夢もしくは予知夢の可能性があります。

予知夢とは、未来に起こることを予知している夢のこと。 正夢とは、見た夢がそのまま現実になるような夢です。 未来を現す夢はすべて予知夢といえるので、正夢は予知夢の一種といえるでしょう。

予知夢の特徴は、未来を暗示するようなメッセージ性をもっていることです。 夢を見た人も、それが普通の夢ではないことがはっきりと自覚できるほど不思議な夢なのです。 現実の経験では到底知りえないような未来に関する情報が、リアルな特徴をもつ場所や人によって比喩的に暗示されています。 目が覚めたときに、普通ではない感動や興奮が残っていたり、場合によっては泣いてしまうこともあるかもしれません。

夢は潜在意識からのメッセージでもありますが、潜在意識は表面意識である顕在意識の影響を大きく受けるものです。 正夢や予知夢からのメッセージを受け取るためには、自分としっかり向き合い、未来を見据えて行動することが重要といえるでしょう。