(写真はイメージです)
京都市下京区にある鉄輪の井戸(かなわのいど)は、命婦稲荷社(みょうぶいなりしゃ)内にある縁切井戸です。
ここの井戸の水を縁切りしたい人に飲ませれば、たちまち縁が切れる効果があるという噂から、縁切りのパワースポットとして知られるように。
鉄輪とは、鉄の輪に三本の足をつけた物。囲炉裏の火の上に立てて、鍋など置いて利用します。
神社の入り口は民家の間の狭い路地にあるので、入るのに躊躇するかもしれません。
鉄輪の井戸には、縁切りにまつわる様々な伝承があります。
その中のひとつに、ある浪曲があるのでご紹介します。
平安時代、とある女性が男性に思いを寄せていましたが、ほかの女性にとられてしまいました。
嫉妬に狂った女性は、京都の貴船神社で、復讐のために自分を鬼神に変えてもらうよう、祈りを捧げます。
そして、貴船大明神は願いを聞き入れ女性を鬼に変えたのですが、女性は陰陽師である安倍晴明により、成敗されてしまいます。
この時、女性は頭に松明を付けた鉄輪を被っていました。
女性は現在の命婦稲荷にある井戸の傍らで絶命していましたが、これを憐れんだ人が鉄輪を塚にして女性を葬りました。
この話は浪曲「鉄輪」として残り、神社の入り口にも鉄輪跡という石碑が立っています。
井戸の方ですが、残念ながら枯れており、現在は水を汲むことが出来ません。
ですが、水道水を縁切り水に早変わりさせる方法がありますよ。
あらかじめ水道水をペットボトル等に入れて持参し、その水を鉄輪の井戸にお供えして祈願すれば、水に力を宿らせることができるといわれています。
後はその水を持ち帰り、縁切りしたい人に飲ませましょう。
命婦稲荷神社は、正一位命婦稲荷大明神をご祭神とする伏見稲荷大社を勧請しておまつりした神社。
1668年の勧請以来、命婦稲荷がある鍛治町一帯の鎮守社として、長年人々の信仰を受けてきました。
明治10年(1877)市中の小祠廃止の府令に従い、命婦稲荷は閉鎖され、一旦は忘れ去られました。
ですが、昭和10年(1935)にご神体が町内の蔵から出現したことから、町民の熱意により現在地に再建されることになったのです。
この工事で発掘された「鉄輪」の碑をご神体としてお祀りしたのが鉄輪社になります。
命婦稲荷神社は稲荷大明神をおまつりしているので、商売繁盛、家庭円満のご利益もあります。
また、命婦稲荷神社では毎年「お火焚き祭」が行われます。
お火焚というのは旧暦の11月に行われる火祭の事で、神楽の際に焚く篝火(かがりび)の庭燎(にわび)や、秋に取れた収穫物に感謝する収穫祭の新嘗祭(にいなめさい)を起源とするといわれています。
神社でお火焚をする場合には、社殿の前に願い事の書かれた火焚串(ひたきぐし)や護摩木(ごまぎ)等を組んでお炊き上げをし、五穀豊穣(ごこくほうじょう)に感謝すると共に無病息災や家内安全を祈願すると良いそうですよ。
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