
陰陽五行思想を土台に持つ九星気学が、方位を重視した占術であることは説明の余地がありませんが、そんな方位を司る神々が存在することは、過去記事「▼神殺?方殺?~九星気学における吉凶方位神の種類と特徴」でもご紹介したとおり。こちらの記事では、主に吉凶方位神をご紹介しましたが、それとは別に九星気学には
「四神信仰」と呼ばれる四方四神の概念
があり、東・西・南・北の天の四方を守っている「四神」が存在するという考え方があります。
身近な例を挙げると、横浜の中華街は東西南北にそれぞれ牌楼と呼ばれる門が建っており、細かな門も含めると合計10の牌楼がありますが、東西南北の主要の門を見ると
で囲まれており、天の四方を「四神」が守っているのです。
四神思想の成り立ちは、自然界の象徴でもある八卦の四象(ししょう)と言われており、これら四象を具体的に示したのが四神で、東を「青龍(せいりゅう)」、西を「白虎(びゃっこ)」、南の「朱雀(すざく)」、北を「玄武(げんぶ)」という神獣が、それぞれの方位を守る四神として崇められています。この四神獣は、
同じ方位占いでもある風水でも用いられている概念
なので、四神の名前は聞いたことがあるという方も多いかもしれませんね。この四神が守る方位や土地は、邪気を払い、無病や長寿などの幸福を呼び込む吉方位として知られています。
なお、九星気学においては中宮である「五黄」が存在しますので、四方位+中宮で捉えることとなりますが、四神が司る方位や季節は以下の通りです。
中宮の五黄は季節の変わり目である「土用」となり、季節としては年に4回巡ってくる形となりますが、四方四神は方位のほか、色や季節、一日(朝・昼・暮・夜)」が割り当てられています。
朝の日の出は青龍、日中は朱雀が引き継ぎ、夕暮れは白虎、陰気が満ちる夜は北方の玄武が守護する、と言えば分かりやすいかもしれません。
なお、中宮の五黄を「麒麟」になぞらえて「五神」 と呼ぶ場合もあります。
今回の記事では、そんな九星気学における四方四神の存在と、四神方位の捉え方について詳しくご紹介していきます。
実は、この四方四神の概念は現代においても様々な箇所で取り入れられています。例えば、日本の国技である相撲の土俵に吊り下げられている房は
黒房、青房、赤房、白房で四神の象徴
とされておりますし、ちらし寿司の色もまた、
四季の移ろいと四神を表現
していると言われています。
そんな九星気学でも重要な役割を担う四方四神の存在と活用法について詳しく見ていきましょう。

上記では、相撲の土俵にも四方四神の概念が採用されていることをご紹介いたしましたが、古代日本においては、奈良時代の日本の首都である「平城京」がそれを採用しており、現代では復元された朱雀門などを目にすることができます。平城京を中心に、
に鎮座し、その四方四神の思想や概念は、その後の時代においても随所で用いられて現代に至っていること考えると、いかに「四神信仰」が日本の文化に根付いているかが垣間見れるところではありますね。
風水においても、
健康運や仕事運などを紐解く際に重視される要素のひとつ
とされていますので、それぞれの方位と四神が持つ意味合いについても詳しく見ておきましょう。
【青龍の象徴】
春の季節の象徴である東方の守護神「青龍」は、木の属性であると同時に成長や繁栄の象徴で、やる気に満ちた精神や物事の始まり、初々しさなどが象徴とされています。
「青春」という言葉は、春を司る青龍から来ているとも言われており、朱雀にバトンタッチするまでの土台を築く重要な任務を担っています。
【朱雀の象徴】
火の属性、夏の象徴でもある南方の守護神「朱雀」は、生命力や活力の源であり、積極性や勇気といったチャレンジ精神の象徴でもあります。
朱雀の影響が大きいほど、エネルギッシュで活発的な行動を示し、困難からの回帰や自身の成長などを示します。
【白虎の象徴】
西方の守護神である白虎は、強さや決断力、勇敢さの象徴とされています。
秋の収穫時期を担う四神としては、成熟や成果の象徴であり、豊富な収穫が大きな成功とされることから白虎の影響が大きいほど繁栄や成熟をもたらします。
【玄武の象徴】
何かと運気が低迷する北方を守護する玄武は、忍耐や防御を象徴する存在であり、1年通して繁栄してきたものを守護する重要な役割を担います。
災いを防いで健康を保つという観点で、古代中国では軍事的な戦略としても重要視されてきました。
九星気学における各方位判断においては、すでにこれまでの様々な記事でご紹介してきておりますので、▼吉・凶方位に関する記事一覧なども参考にしていただければと思いますが、四方四神においては、それぞれの四神が担う下記のような運気に照らし合わせます。
自身の本命星と年盤、吉方位と四神の運気との照らし合わせで、どの運気が強いかを判断するのが一般的です。
ただし、その方位には暗剣殺や方殺といった凶方位も絡んでくるケースが多いので、その点も踏まえた総合的な判断が必要になります。

四方四神に関しては、九星気学より風水の方が用いられるケースが多いかもしれませんが、陰陽五行思想のなかでは当然四神の存在は抜きでは語れませんので、四神が守護する東西南北の各方位とその象徴、司る運気は把握しておく必要があります。
特に四神が司る季節や時期、四神の属性を把握しておくことで、
行動を起こすタイミングや基本概念
を見誤ることなく動くことができるようになるため、過去記事「▼凶相以外の運気低迷要因~九星別バイオリズムの流れと調べ方」でもお伝えしたような、自身のバイオリズムの把握や、結婚相手の見極め、転職や引っ越し判断などにも活用することができます。
例えば、転職のタイミングや成功可否を見極めたい場合。
仕事や出世を司る四神は「青龍」、商売繁盛という観点では「白虎」、それぞれの四神の方位が定位でありますので、自身の年盤などと照らし合わせ、青龍の方位である
東にどのような吉凶方位が存在しているか?
などを見るだけでもその判断は変わってきます。
転職後の成功の可否や新たな事業の立ち上げなどにおいても、「商売繁盛の守護神である西方の白虎の方位にどのようなリスクがあるか?」を自身の年盤と照らし合わせて確認することで、九星気学でいうところの「方災」を回避することにもつながります。
※「方災」については「▼単に方位を取るだけじゃない!九星気学が示す方位学と吉凶方位の真髄」をご覧ください。
青龍や白虎といった四神は、その名を耳にしたことがある人の方が多いように日本文化にも根強く定着しているため、普段の生活のなかで、
無意識にその方位を意識している
ということは意外と知られておりません。
例えば、北の方位は何かと不吉であったり、凶方位と捉えられる傾向にありますが、北の玄武は保守・保護、忍耐・防御の象徴ではありますので、方位が不吉なのではなく「積極的な行動に適さない」と判断するのが無難で、かつ季節も冬であることから、
冬時期に何か大きな決断をしたり行動を起こすことは必然的に凶相が強まる
と判断することができます。
今回ご紹介した四神の方位とその象徴だけで、1年間の運気や向こう数年の運勢を読み解くことはできませんが、四神の守護神がいるということだけで、行動を起こす際、判断を下す際の支援材料になるかもしれませんので、その概念だけでも頭の片隅に置いておくと良いでしょう。