
九星気学の吉凶方位占いにおいて、東西南北の方位は当然重要な要素のひとつ。
特に五黄殺や暗剣殺といった方殺や、吉方位となる最大吉方などは当然意識する方位であり、方災を避ける、または方徳を得る取るうえで非常に重要となることは言うまでもありません。
ところが、方位における「北」については、地図上の北と方位磁石が示す北に多少のズレがあることは、過去記事「▼九星気学には偏角を考慮すべき?方位におけるズレについて」でもご紹介したとおりで、これまで九星気学での北方位の概念については永遠の課題と言っても過言ではありませんでした。
上記過去記事では、
偏角は考慮する流派もあれば、しない流派もある
と結論付けておりますが、巷の九星気学や風水の書籍においては「偏角を使うように」と記されている傾向にあり、絶対的な正解はないと言っても良いほど、様々な見解が示されるのがこの偏角です。というのも、偏角においては
といった点が挙げられるため、統一見解を見出すのが困難というのが実情。
そもそも、古代中国の方位占術をはじめとする東洋占星術が誕生した時代には方位磁石は存在していなかったので、北極星の位置が真北であり、偏角という概念そのものがなかったとされています。では、なぜ真北と磁北の差である
「偏角」という概念が生まれたのか?
明治以降に広まった一部の流派における九星気学や風水において、間違って取り入れてしまったと考えられており(諸説あり)、「滅蠻経(めっぱんきょう)」という名の嘘の風水が流布されてしまったことにあるという説があります。
古代中国では、北極星で磁北の代用をしていたのに対して、日本に伝わった風水では真の磁北を使用したことで差異が生じてしまった・・・というのが実情だったようです。
ちなみに嘘の風水書と言われる「滅蠻経」ですが、厳密には嘘という訳ではなく中国がまだ「唐」の時代だった頃、その当時の皇帝が風水の威力に脅威を感じたため、その風水が広く伝わることを懸念し、
重要な部分を割愛した偽の風水書「滅蠻経」を流布させた
というのが背景にあり、それを真に受けてしまったのが日本に伝わった一部の風水や九星気学ということなので、結論ではありませんが「偏角」という概念は抜きにして、九星気学の思想や概念を考慮する限り、人間が影響を受けるのは「地磁気」であるがゆえに、
磁北を北と捉えるのが本来の方位占術
であると考えられるのです。
そこで今回の記事では、そんな九星気学における「北」方位の正しい捉え方と偏角を考慮した具体的な吉方位の取り方、確認方法について詳しくご紹介。
北方位はあくまで真北ではなく、磁北であると仮定すると、各地域や季節で多少の偏角が生じるため、それらを考慮したうえで正しい北方位や吉方位の捉え方を説明していきます。
ただし、これらが絶対的に正解かどうかは諸説ありますので、それらを踏まえたうえで気学や風水での方位を判断していく、ということを認識しておきましょう。

上記でもご紹介したように、九星気学や風水における北方位については、その流派や時代変化などによって、その捉え方も変化してきた背景があります。北方位を真北とするか磁北とするかは、その時々の時代や流行などによっても左右されてきたため、現代においてもどちらを取るべきかは考え方次第です。
真北は不変的なもの、磁北は可変的なもの
であり、昨今では前者を取っている流派が多い傾向にあるようですが、後者もまた気学の概念に沿っていることから、根強い支持があります。
ちなみに九星気学の方位については、東西南北に加え、北東・南東・南西・北西の4方位を合わせた計8方位であることはご承知のとおりですが、
方位盤を見ると東西南北の4方位は他よりも範囲が狭い
ということが見て取れます。

方位は計8方位ですが、各方位に割り当てられる干支は12種あることから、結果的に方位盤ではそのような割り当てになっていますが、全周360°の方位盤を12で均等に割ると、1つの干支は各30°ずつに割り当てられ、これは木星の公転12年周期とも合致しています。
東西南北で割り当てれらる各30°ずつの範囲が偏角の範囲
ということになりますので、方位の捉え方としては非常に狭い範囲で、仮に方位を取ったとしても最大30°の誤差ということになりますので、それほど影響は少ないかもしれませんし、実際に偏角の範囲としては5°~10°程度となりますので、真北に向かったつもりが多少ズレてしまったとしても、運気への影響は限定的とするのが一般的です。
特に偏角の影響が大きく出るのは
海外旅行などの移動距離が長い場合
であり、当然距離が長いほど偏角の差が広がっていきますので、場合によっては
吉方位を取っているつもりが凶方位に向かってしまった
というケースもあるかもしれません。
特に偏角の大きい北海道などの北側は、そうした傾向が強く現れますので、地域ごとの特性をしっかりと理解して、正しい方位を取ることが重要となる場合も少なくありません。
■日本国内における地域別偏角一覧
※参考リンク
国土地理院「地磁気を知る」
https://www.gsi.go.jp/buturisokuchi/menu01_index.html

九星気学における「北」方位の捉え方については、偏角を考慮することが気学の思想に適っていると考えられますが、最終的には個々人の捉え方次第であり、その差はそれほど大きくない、ということを上記ではお伝えしました。ただ、
北方位と聞くと凶方位・凶相をイメージしがち
な側面もあり、できることなら正確に北方位を把握したいというのが実情。
なお、過去記事「▼枕の方位が意識される理由?九星・十二支方位で見るベストな就寝方位」でもご紹介しているとおり、北方位は決して凶方位とは限らず、
風水的には金運や健康運を司る方位
ではありますので、年盤や月盤、日盤などを駆使して、向こう数年単位での吉凶方位、向こう数カ月での吉凶方位、向こう数週間での吉凶方位を適宜把握しておくことが肝要です。
年盤・月盤・日盤の見方や時間軸の取り方は、「▼年盤・月盤・日盤とは?九星気学の方位盤について知ろう」で詳しくご紹介しておりますので、そちらを参照していただければと思いますが、特に偏角を考慮するうえでは
を考慮し、特に偏角の大きい北海道などのエリアや海外旅行などの長距離移動などの北方位においては、吉凶問わず偏角を考慮した方が良いかもしれません。
また、偏角を考慮する場合には、その角度に合わせて南北線を引き、正確な南方位を把握することも重要です。この南北線は、磁北に対して「磁南」を把握するうえで必要な要素となり
北方位の対中となる偏角を考慮した南方位
を理解することができます。
これまでお伝えしてきたとおり、「偏角」の重要性は流派や方位の精度に対するこだわりによって個々人で決定する要素であり、偏角はひとつの誤差調整程度かもしれません。
ただし、九星気学の哲学である循環や変化という概念を踏まえると、偏角のように
時期や場所によって変化する要素は取り入れるべき
で、偏角という概念を知っているだけでも、何か問題が生じた時に偏角を疑うこともできるようになります。
「吉方向に方位を取っているのに方災ばかりに見舞われる」といったような状況の時は、いの一番に偏角を疑うことができますし、その修正も容易にできるようになります。
偏角自体はそれほど大きな要素ではないかもしれませんが、
吉凶方位の確認方法として偏角を考慮する
ということは、ある意味九星気学上級者の概念でもありますので、占術精度を高めるという観点でも偏角を考慮したパターンも紐解けるようになっておくと良いでしょう。