これまでも数多くの記事でご紹介してきたとおり、九星気学は生年月日を元に9つに割り当てられた本命星によって、その人の生まれ持った性格や本質、本命星が示す運勢や方位を導き出す中国から伝わった東洋占星術のひとつです。
そんな九星気学の特徴でもある「星が示す開運方位への方位取り」ですが、九星気学の本質は
凶方向への行動を避け、吉方位への方位を取ること。
これを「吉方位への祐気取り」と呼びますが、その年その年で変化する吉方位に向かって行動したり、吉方位に頭を向けて寝たり、より多くの運気・エネルギー(気)を吸収するために、自身にとっての吉方位は常に把握しておく必要があります。
九星気学が方位学とも呼ばれる所以は、この吉方位への祐気取りによって運気を高める点にあり、
エネルギー(気)を用いた一種の開運法
でもあるため、日本でも広く認識されている「パワースポット」と同様、科学的な根拠には当然乏しくもあり、九星気学は迷信だと考える人も少なくありません。
ただ、上述のとおり、五行思想に基づく九星気学は
他の占術とは異なり方位による吉凶に特化
しており、他の占術にありがちな「大きな病に気を付けろ」「〇〇を常に身に付けろ」といった漠然としたリーディングではなく、何かしらの行動を起こす際の方向や方角に意識することができるのです。
なお、九星気学に似た「方位による開運法」は他にもあり、一般的によく知られているのが「風水」です。
両者とも気の流れや強さを思想とした学問
ではあり、九星気学も昔は「九星気学風水」と呼ばれていたほどではありますが、九星気学が方位学、風水は「気」を取り込みやすい環境を整えるという観点の環境学がベースになりますので、少なからずその思想は大きく異なるという点は留意しておく必要があります。
今回は、そんな九星気学における「方位学を信じるメリットとデメリット」について詳しくご紹介していきます。
一般的な九星気学のイメージとしては
といった感じで、他の星座占いやタロット占いなどの占術と比較しても、とっつきにくいという点は否めません。
もちろん、九星気学は方位鑑定のみではありませんが、自身の本命星が示す方位「吉方位・凶方位」の捉え方として、
【吉方位】
自身の本命星に対して「相生・比和」の関係にある星の方位
【凶方位】
自身の本命星に対して「相剋」の関係にある星の方位
を理解することが前提となります。
そして、すべての人に共通して凶方位となる五黄殺・暗剣殺・歳破、および、本命殺・本命的殺も必ず考慮する必要があるのです。
上記で出てきた「相生(そうじょう)」や「比和(びわ)」、「相剋(そうこく)」については、過去記事「▼死気・殺気とは?五行説に基づく九星気学の相性と方位」なども参考にしていただきたいところですが、実際のところ
吉方位より凶方位の方が多い
という傾向にあり、自身が持つ本命性が示す凶方位のほか、万人に対して凶方位となる五黄殺や暗剣殺が存在する年もありますので、実生活に照らし合わせると
意外と無意識に凶方位に行動を取っている可能性
は十分にあるのです。
繰り返しとなりますが、九星気学は縁起が悪いとされる凶方位への方位取りを避けることにありますので、特に「今年は家を買うぞ!」「独立して起業するぞ!」などといった
大きなライフイベントを予定しているような場合
には、果たしてその方位が吉方位なのか、凶方位なのかを調べてみると良いかもしれません。
また、九星気学の方位鑑定は、方位盤を用いれば数年単位の長いスパンで気の流れを捉えることができるので、その大きなライフイベントをいつ行動すべきかの目安も立てることができる点でメリットがあると言えます。
九星気学は方位を重視した方位学であり、具体的な開運法だけに着目するのではなく、凶運の悪影響をできる限り避ける・抑えるという視点も兼ね備えている点で、他の占術と一線を画すことは理解できたかと思います。
また、自身の本命星に対する吉方位(相生・比和)や凶方位(相剋)となる星を把握しておけば、人間関係においても
その本命星を持つ人との距離の取り方
も意識することができるので、相手との「相性鑑定」という面でも活用できるようになります。
ただ、相性のリーディングという観点で、相手の持つ本命性の性格や特徴を鵜呑みにするのではなく、本質を見極めるためにはある程度の時間は必要です。
また、時間の経過と共に
吉凶の位置関係も変化してきます
ので、時間の経過と共に自身の考え方や捉え方も変化させる柔軟性が必要だということも留意しておかなければなりません。
「あの人とは相性が合わない位置関係だから・・・」といった固定観念が、運気を逃す要因になることもあるやもしれませんので、吉凶共に受け入れつつ、
凶運の悪影響をできる限り抑えるくらいの気持ち
が持てると、九星気学をフルに活用できるようになるかもしれません。
なお、前段では吉方位への祐気取りについてご紹介しましたが、一方で凶方位への移動や行動が避けられないケースはどのように対処すべきなのでしょうか?
例えば、会社の転勤や引っ越しなど、日常生活においては避けられないケースも多々あるでしょう。
凶方位への方位取りが避けられないケースでは
など、凶運を抑えるための対策を実践するのがベスト。
方違えや方位除けは、また別の記事で詳しくご紹介しますが、方違えとは「避けるべき方角へ向かう時は、前日に吉方位で滞在したうえで次の日に凶方位に向かう」こと、方位除けとは「方位神が祀られている神社にて年始から節分までに厄払いを行う」ことになります。
特に凶方位への方位取りによる凶運は、大病を患う、仕事上で大きなミス、金銭トラブルなど、
日常生活に関連することが多い傾向
にありますので、開運ばかりに着目するのではなく、凶運を抑えるための行動も取ることが重要だということを九星気学では教えてくれるのです。
九星気学で相性や運勢が丸わかり!