
西洋占星術(ホロスコープ)において、各12星座(サイン)やハウスはもちろん、水星や木星、月や太陽といった惑星と、その傾き(アスペクト)が占術要素となることは、これまでの星座占いの様々な記事でご紹介してきたとおり。過去記事「▼意外と知らない!ホロスコープにおける12のサインとハウスの違い」でも取り上げているように、ホロスコープチャートにおいて、
分かりやすく言うと、ハウスはチャート上で12等分した部屋、サインはその部屋に割り当てられる星座、ということになります。
太陽が昇る東の上昇点・アセンダントから順に第一ハウス、第二ハウスと割り当てられ、最初に日の出を迎えるのが牡羊座になる、というのがホロスコープチャートの基本です。
上記過去記事では、ホロスコープの重要な要素として
をご紹介しましたが、ネイタルチャートを見るなかで疑問が生じてくるのが
ハウス同士をまたがった場合の判断です。

そもそも、上記チャートにおけるハウスとハウスの間(破線部分)を「どのように判断すべきか?」という疑問が生じてくるのは自然な流れかもしれません。結論から言うと、
この境界線を「カスプ」と呼び、次のハウスの入口
という性質のものになります。
ハウスカスプなどと呼んだりしますが、12の各ハウスには、生命力や知識、恋愛、交友関係などといったテーマが定義されていることは「▼星座占いのハウスとは?あなたの特徴が発揮される場面を知る」でもご紹介している通りで、出生時に自身の星座がどのハウスにいるか、その星座の支配星や太陽との位置関係、傾きなどを見ることで占術内容を紐解いていきます。つまり、
カスプの定義を理解していないと正確な判断は下せない
ということになるのです。
今回の記事では、そんなハウスカスプの定義と判断方法のほか、サインの支配星とハウスカスプの支配星の違いと捉え方について詳しくご紹介していきます。
カスプはホロスコープにおいて一番難しい概念かもしれませんが、カスプを理解することで占術の幅が一段と広がりますので、しっかりと理解して自分のものにしていきましょう。

早速ですが、12星座における支配星とハウスカスプの支配星について見ていきましょう。
まず、カスプの捉え方の定義についてですが、
ハウスの影響はカスプの5度前くらいから発生(5度前ルール)
つまり、境界線であるカスプのすぐ近くに惑星がある場合は、その隣のハウスの影響を受けるというものです。どの惑星がどのハウスに配置されているかを見るうえで、カスプ付近に位置する惑星は、その双方のハウスの影響を受けるということを認識しておく必要があります。
続いては、惑星が存在しないハウスの捉え方についてです。
冒頭のネイタルチャートにもあるように、第3ハウスから第5ハウスまでは天体が存在していません。ただし、惑星が入っていないハウスにおいても第1から第12ハウスの影響は少なからず受けるため(惑星が入っているハウスよりその特性は弱まりますが)、その場合の特性を知るためには
天体のないハウスのサインの支配星の位置
が重要になってきます。その様子を具体的なネイタルチャートで見てみましょう。

上図「さそり座」のネイタルチャートでは、第3~第5、第9や第11のハウスに天体が存在していません。
第3~第5、山羊座・水瓶座・魚座の3つのサインにおいては、
その支配星がどのハウスに位置しているか?
を見る形となり、それぞれの支配星が、山羊座:土星、水瓶座:土星、魚座:木星となることから、土星と木星の位置を確認することになります。
上記チャートにおける土星は第10ハウス、木星は第7ハウスのカスプに存在していますので、
第7と第10ハウス、対人関係や社会的地位
のテーマに関して、何かしらの影響を受ける、もしくは受けやすい状況にあるということが判断できます。
ちなみに、さそり座の支配星は火星であり、チャート上では自身が守護するサインに位置していることから、ディグニティの効果で天体の影響力が最も発揮される状態であると判断できます。

今回ご紹介したカスプの概念につきましては、天体が入っているハウスはその特性が強く出る一方、「天体が入っていないハウスも一定の影響を受ける」ということが重要です。
例えば、お金や才能がテーマとなる第2ハウスに天体がひとつも入っていないから金運に恵まれないとか、人生真っ暗という訳ではありません。あくまで、12ハウスすべての天体配置を見たうえで総合的に判断することが重要なのです。
そのようななかで、カスプにおいては
が位置するハウスも重要となります。特に、第1ハウスとなるアセンダントや、第4ハウスのイムム・コエリ、第7ハウスのディセンダント、第10ハウスのミディアム・コエリと呼ばれる4つのアングル・カスプは、とても重要な特性のハウスだということを覚えておくと良いでしょう。
※アングル・カスプの詳細は「▼意外と知らない!ホロスコープにおける12のサインとハウスの違い」も合わせてご参照ください。
このように、ホロスコープにおいては星座(サイン)以上に天体とハウスが重要であり、かつハウスにおいてもカスプという概念を追加することによって、より細かな特性や周りからの影響を知ることができます。
ホロスコープチャートは「記号が多くて取っつきにくい」というのが本音かもしれませんが、こうした内容を1つずつ理解することで
ホロスコープチャートの読解力も高まる
ため、分かりにくいと思っても数多くのネイタルチャートをまずは出力してみて、正誤はともかくとして自分なりに分析してみると、色々なものが見えてくるようになります。
今回ご紹介したカスプにおいては、カスプのサインと支配星の位置を見ることで、
ハウスの特性とその影響度を推測する
という占術判断にありますが、それ以外にも各天体がどのハウスの何度の位置にいるか、天体同士の傾きと位置関係などをアスペクト表で確認したりと、総合的な判断に至るには幾つもの要素を勘案しなければなりません。
チャートの読み方については、また別の記事で詳しくご紹介いたしますが、ホロスコープの4大要素、サイン・ハウス・惑星(天体)・アスペクトに加え、カスプの概念を追加できるようになると、
予想外の外部的な影響やリスクを想定
することができるようになります。
特に、周りの影響を受けやすいサイン、そのサインを持つ人に対する接し方などを考慮できるようになると、対人関係においての立ち回り方を考えられるようになりますので、人とのコミュニケーションに悩みや問題を抱えている状況などにおいては、カスプによってどのような影響を受けているかを導き出すのが適しているかもしれません。