西洋占星術「ホロスコープ」における各サイン(星座)には、それぞれ守護惑星と呼ばれる支配星が属しており、星座と守護星の関係性をルーラーシップと呼ぶことは、以前の記事「▼惑星同士の影響力ディグニティとは?星座占いにおける天体品位の見方」で詳しくご紹介したとおりです。
惑星同士の位置やその傾きを重視するホロスコープにおいては、星座はもちろん、
この支配星もリーディングにとっては非常に重要な要素となるはず
ですが、俗に言う簡素版の星座占いにおいては、太陽のサイン(12星座)のみで構成されており、
太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の10天体の概念は省かれてしまっているため
その存在すら知らないという方も多いのが実情です。
支配星については、それぞれの惑星における象徴が存在します。
例えば、獅子座の支配星である「太陽」は、人生の最終目標や仕事、父親・夫といった、九星気学で言うところの「象意」が設定されており、それぞれの惑星が自身のハウスに入ることで、象意的な影響を及ぼすとされています。
各星座に対する守護星は上記過去記事にてご確認いただけますが、それぞれの惑星が示す象徴については、
【守護星の象徴】
などが挙げられ、それぞれの惑星が本来あるべき守護星座に位置しているときほど、天体から受ける影響力が強まる「支配星回帰」という状態を生むとされています。
例えば、蟹座の支配星は「月」ですが、蟹座のハウスに月が位置している時には、
月も居心地の良さを感じてその効果を発揮する
という風に捉えると分かりやすいかもしれません。
各12サインの星座の運気運勢に対して、とても大きな影響力を持つ支配星ですが、星座占いでは概念そのものが割愛されているため、ホロスコープではなく星座占いしか知らない人にとっては「守護星?なにそれ?」となってしまうのは当然。
星座占いとして簡略化された際に、なぜ守護星の概念が含まれなかったのかは明らかではありませんが、ホロスコープにおいては、
出生日時の第1ハウスのアセンダントは人生観に関わり非常に重要
とされておりますので、この機会にぜひ支配星の概念をしっかりと押さえていただければと思います。
そんなわけで、この記事では支配星がなぜ重要なのか?という点にフォーカスし、支配星の存在意義やサインに与える影響などについて詳しく見ていきましょう。
星座占いでは割愛されている支配星。ホロスコープ上では、それぞれのサイン(12星座)が本来の自分を示しているのに対して、支配星が支配下に在る状態の時はその自分らしさをより活発化して本領を発揮させてくれる、というのが支配星の役割です。
なお、支配星と聞くと「支配されている」と捉えてしまいがちですが、守護星とも呼ばれますので、その点は気にしなくても大丈夫ですよ。
支配星の基本的な見方については、
各ハウスの支配星がどのハウスに入っているかに着目
することで、その人の志向や傾向を見極めることができます。
例えば、下記のようなチャートの場合
第6~第10ハウスには一切の惑星が存在していませんが、それでは第7ハウスのテーマである対人関係や、第8ハウスの象徴である血縁関係などのテーマにまったく関心がないのかと言われるとそういう訳ではありません。
別の記事でご紹介いたしますが、この場合は「ハウスの支配星」を見ることで別のテーマを見出すことができます。
上記チャートとは異なりますが、例えば第7ハウスのテーマである結婚相手に対して、第7ハウスの支配星が金銭をテーマとする第2ハウスに入っている状態であれば、「結婚相手には金銭的な余裕を求める」といった見方ができたりもします。
(※各ハウスが示すテーマ・象徴については「▼星座占いのハウスとは?あなたの特徴が発揮される場面を知る」を参考にしてください)
ハウスと支配星の関係は、特に結婚等にまつわる相性診断など
相手の本質を見出すのに効果を発揮する傾向
にありますが、それ以外の主要要素となるエレメントなども当然組み合わせて、総合的に判断することが重要です。
支配星が位置するハウスの捉え方は非常に複雑ではありますので、色々な配置パターンのチャートを見ながら、イメージを膨らませて鍛錬すると良いでしょう。
生年月日から導ける12サイン単体で鑑定できる内容は、あくまで本質的な性格や気質といった不変的な情報に過ぎず、出生時の天体の配置、支配星とハウスの関係性などを加味しない簡素的な星座占いにおいては、
占術で導ける内容に乏しい
というのが本音かもしれません。
もちろん、テレビや雑誌などで取り上げられる星座占いにおいては、表面に出していないだけで、裏ではちゃんと鑑定士が占術を行っている可能性はありますが、ご自身でチャートを活用した占術を行いたいということであれば、
支配星もまた重要な要素のひとつ
ではありますので、しっかりとその概念は身に付けておくべきでしょう。
なお、支配星が自身のハウスに廻座している状態を「支配星回帰」と呼び、そのハウスにまつわるテーマや象徴の効果が強まるという話を上記でご紹介しましたが、例えば、支配星に火星を持つ蟹座の第4ハウスに火星が廻座した場合、
第4ハウスのテーマは家庭・家族・絆
となるものの、当の本人は単身で家庭を持っておらず、親族もいないといった場合もあるでしょう。
実際の生活に照らし合わせると、遺産や相続など、特定の人間以外は関係がないテーマも多々ありますので、
必ずしも支配星回帰のメリットを受けられる訳ではない
という点も認識しておく必要があります。
それ以外にも、例えば牡羊座(支配星は火星)の人で、その支配星が第10ハウス(仕事・キャリア)に廻座している場合、その人が持つ性格としては積極的でリーダー気質、情熱的でありキャリア志向が強い…などと分析することができます。
こうしたパターンで色々と分析することで、
自然と支配星の配置を意識するようになり
支配星が与える影響なども考慮するようになってきますので、多彩なチャートを見ながら、支配星がどのハウスにいるか、第〇ハウスにあるからこういうことが考えれる、といったシミュレーションをしてみるのも面白いかもしれません。
ただし、この支配星とハウスの関係性を身に付けると、簡易版の星座占いでは物足りなさを感じてくるようになりますので、その点は悪しからず・・・
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