国内では星座占いとして簡略化されておりますが、海外の命術占いの代名詞とも呼べるのが西洋占星術「ホロスコープ」。
そのアプローチにおいては、生年月日を元に出生時の天体の位置や状況に応じて、その人の運命や運勢、内面的性格や生まれ持つ才能などを導き出す占術です。
厳密に言うと占い自体の名称は「西洋占星術」ですが、占術を行うために書き出すチャートを「ホロスコープチャート」と呼ぶことから、占い自体をホロスコープと呼ぶことも多いです。
なお、個人の性格や個性を示す「ネイタルチャート」や、内面的な変化を示す「プログレスチャート」などをすべてひっくるめて「ホロスコープチャート」と呼びます。
ホロスコープチャートに記される要素は主に4項目で、
となり、それらの情報がホロスコープチャートに転記されていきます。
ちなみに惑星位置とは、出生時における天体の様子(惑星の位置)のことを指しますが、「そんなの知るか?!」といった方が大半だと思います。
もちろん、ウェブ上には生年月日や時間などを入力するだけで、出生時の星の位置を示すネイタルチャート(バースチャート)を出力してくれるサービスが多数ありますので、そうしたツールを活用すると良いでしょう。
参考)【みのり】ネイタルチャート作成ツール
https://rensa.jp.net/horoscope(外部リンク)
次の要素となるのが「サイン」です。
このサインとは、まさに皆さんもよくご存じの12星座のことであり、改めて説明の余地はないかもしれませんね。山羊座や射手座などの12星座は「ゾディアックサイン(Zodiac sign)」と呼びます。
ただし、ここで留意しなければならないのが、
星座種だけで吉凶判断をする日本の星座占いとは異なる
という点です。同じ12星座を使用していると言えど、俗に言う星座占いはホロスコープの簡素化版。星座占いには「ハウス」や「アスペクト」といった概念は存在しません。
ちなみに、なぜ12星座が今の星座として決まったのか?という点については、過去記事「▼星占いの12星座はなぜ決まった?星座占いの起源と原点について」を読んでからの方が理解が深まるのではないでしょうか。
そして、もうひとつの重要な要素となるのが「ハウス」。
ハウスについても、過去記事「▼星座占いのハウスとは?あなたの特徴が発揮される場面を知る」にて詳しくご紹介しておりますが、
ハウスを理解しないとホロスコープが成り立たない
と言っても過言ではないほど、重要な要素のひとつです。
12星座が山羊座から始まるのと同様、ハウスは出生地の緯度や経緯、太陽の位置を元に12のハウスが分類されます。出発点となる起点を「アセンダント」、その真逆の位置を「ディセンダント」と呼びます。
ちなみに、アセンダントとは出生時に東の地平線上に昇っていた星座を指し、ディセンダントは西の地平線に沈む星座を指しますよ。
上記過去記事で説明しているように、ハウス自体はその人の性格や人生のテーマを示しておりますので、
においては欠かせない項目となるのです。
今回は、そんなホロスコープにおける「ハウス」の要素に着目し、サインとハウスの基本的な違いから、実際のチャート上におけるハウスの判断方法など、様々な視点でホロスコープの難解要素「ハウス」を紐解いていきます。
ホロスコープの主要要素となる「サイン」と「ハウス」。
サインについては、皆さんもよくご存じの12星座分類、そして火・地・風・水の4つのエレメントの分類、さらにはモダリティと呼ばれる様式3区分に分類され、主に基本的な性格を示していることは、過去記事「▼占星術におけるモダリティとは?様式3区分と気質4元素の重要性」でご紹介したとおりです。
■12サイン
一方のハウスにおいては、
1日をアセンダントから12等分したのがハウスであり、アセンダントから反時計回りで分類されます。
各ハウスが示す領域やテーマは、冒頭でご紹介したハウスの詳細記事をご覧いただければと思いますが、サインとハウスの大きな違いは
という点が挙げられます。
なお、サインもハウスもチャート上は反時計周りの順に記載されます。
太陽の動きは東から昇り、西へ沈むわけで、上記図の上半分が昼間、下半分が夜間ということになり、余計に「右回りなのになんでサインやハウスは左回りなの?」と感じてしまうかもしれませんが、これはチャートを時計回りに回転させると分かりやすく、
アセンダント(日の出)を最初に迎えるのが牡羊座、次に迎えるのが牡牛座
ということがお分かりになると思います。
ハウスも同様、東の地平線を最初に迎えるのが第1ハウス、さらに時計回りにチャートを回転させると、次に東の地平線から上昇するのが第2ハウスとなりますので、言い換えれば
地上に上っていく順番通りに書くと反時計回りになる
ということなのです。
ハウスの見方が分かったところで、実際にサインとハウスを組み合わせた具体的な診断アプローチを見ていくことにしましょう。
上記のとおり、サインとハウスとでは時間軸の対象が異なるうえ、
となるため、そもそもの概念が全く異なります。厳密に言うと支配する惑星(ルーラー)も違えば、占術要素のアプローチ自体が異なるのです。
また、サインには活動宮・固定宮・柔軟宮といったモダリティの分類があるのに対して、ハウスにもアンギュラー(アングル)・サクシデント、カデントという三つの分類が存在します。
上記ハウスチャートでもご確認いただけるように、アンギュラー・サクシデント、カデントの順に、
が割り当てられており、「ハウスの格」などと呼ばれることもあります。
チャートの順からも分かるように、アンギュラーは物事の開始、サクシデントはサクセス(成功)を示します。そして最後のカデントは脱落するという意味合いになるため、まさに太陽の動きの象意ではありますが、この三区分を理解しておくことで、例えば
ということが掴めるだけでも、どの時期のどのタイミングで最も星や惑星の影響を受けるか、ということが把握できるようになってくるのです。
この三区分においては、
12サインのモダリティとの照応性がある
と考えるのが一般的で、
となるため、どうしてもサインとハウスを混同して考えてしまいがちですが、自身の生年月日において「どのハウスにどの惑星が入っているか?」「影響力の高い惑星が入っているか?」などをチェックしてみると良いかもしれません。
もちろん、まったく入っていないハウスがあるのも珍しい事ではなく、自身にとってはまったく興味がないテーマであったり、特に意識していないテーマだったりするわけで、こうした観点から見ても、
ハウスを突き詰めると色々なものが見えてくる
というのがサインとの決定的な違いなのかもしれません。
12星座のサインは、言わば万人共通の事柄であり、基本性質など定型的なもの。対して、ハウスは個々人の興味・関心、行動の傾向などがある程度浮き彫りになってくるため、各ハウスのテーマを把握したうえで自身の認識と照らし合わせてみると、
自分でも気づいていなかった潜在的な意識
に気づくことができるかもしれません。
相手との相性を占う前に、自分では意識していない本当の自分を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?
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