西洋占星術(ホロスコープ)は、生年月日時を元に、天体や星座の位置、生まれた場所などを要素に組み込んだ未来や運勢を占う命術占いであることはご承知のとおり。
日本で認識されている「星座占い」とは趣旨が少々異なる点がありますが、基本的には各それぞれの誕生日にあたる星座をベースに、時々の運気・運勢を推し量る占いとして広く活用されています。
本番の西洋占星術においては、ホロスコープチャートに
出生時の天体の配置を記載(バースチャートを作成)する
のですが、それを手作業で作成するのは困難ではあります。いまではウェブ上で出生日時や場所を入力するだけでチャートが作成できる便利なツールがありますので、そうしたツールを活用されるのも良いかと思います。
こうしたチャートを作成し、各惑星や太陽・月とのアスペクト(相対的角度)を見ることで、相手との相性を見たり、今後の運勢を紐解いたりするわけですが、今回の記事でフォーカスするのが、その時々で配置位置が変わる
各惑星の居心地の尺度である「ディグニティ」
についてご紹介します。
西洋占星術においては、星座以外にも月や太陽、水星や木星といった惑星までもが占術の構成要素となりますが、当然地球の自転・公転などにより、時期ごとに見える惑星の位置が変わることは説明の余地がありません。
その時期によって変わる星座上の位置が重要で、
配置位置によってその惑星が持つ効果が増減する
これが、ディグニティであり天体品位という概念になります。
例えば、西洋占術では各星座(サイン)に下記のような守護惑星(支配星・副支配星)が定義されており、これらの関係性をルーラーシップと呼びます。
各星座の守護惑星は、支配星と言ったりルーラーと言ったりしますので、こちらの記事では「支配星」で統一いたしますが、一部の星座においては副支配星(カッコ内)が設定されています。
こうした惑星は、自身が守護する星座サインに位置しているときが
一番居心地がよく、天体が持つ効果が発揮しやすく
逆に、居心地の悪い惑星が位置しているときは天体の効果が減退する、という概念……
これが「ディグニティ」となります!
この記事では、そんな天体品位「ディグニティ」の読み取り方・判断のしかたなどを詳しくご紹介。
ディグニティの種類や具体的な配置図を見ながら、各ハウスにおけるディグニティの影響度を紐解いていきます。
もちろん、天体と星座のアスペクトは引き続き重視する必要はありますが、さらに占術精度を高めるうえでも、このディグニティについて理解を深めるようにしましょう。
早速ですが、惑星の天体品位「ディグニティ」について詳しく見ていきましょう。
上記でもお伝えしたように、各星座に対して定義された支配星の位置によって、天体の効果が高まるか、弱まるか、その度合いによって以下4つの状態に分類されます。
1、ドミサイル(支配)
支配星である星座に位置する状態。
天体の影響力が最も発揮される位置。
2、イグザルテーション(高揚)
直接の支配星ではないが居心地の良い状態。
天体の影響力がある程度発揮される位置。
3、フォール(転落)
イグザルテーションの真逆に位置する星座
居心地が悪く不快な状態。
4、デトリメント(障害)
ドミサイルの真反対に位置する星座。
天体の影響力が最も低下する位置。
上記分類は、厳密には「エッセンシャル・ディグニティ(品位)」の分類となり、それ以外にも惑星の影響力の強弱を推し量る「アクシデンタル・ディグニティ」も別で定義されていますが、エッセンシャル・ディグニティにおいては、それぞれ計算方法が明確に定めらているようで
1、ドミサイル(+5点)
2、イグザルテーション(+4点)
4、フォール(-4点)
3、デトリメント(-5点)
という内容になります。
具体的な点数計算においては、下記動画が非常に分かりやすく説明されておりましたので、参考にされると良いかと思いますが、現時点では知識程度に認識しておけば十分でしょう。
出典:【占星術中級①】エッセンシャルディグニティ
中級講座体験会ロングその1 ミカミポーラ先生
例えば、1988.4.10生まれの牡羊座の場合、このようなホロスコープチャートになります。
それぞれの12星座のハウスなかに、各惑星が位置していることが分かります。
自身の星座のハウスに位置する惑星は「太陽と水星」、牡羊座の支配星は火星ですが、火星の位置は水瓶座にあり、ディグニティとしてはイグザルテーション。また、自ハウスに位置する太陽もまたイグザルテーションとなります。
導き方については後述いたしますが、惑星の位置関係による影響力の強弱「ディグニティ」は、このように紐解いていきますので、ホロスコープチャートの要素として覚えておくようにしましょう。
なお、ディグニティにおけるマイナス要素であるフォールやデトリメントは、占術を行う人によっては加味しないという場合もあるようですが、ディグニティをより細分化する場合、
といったディグニティもあり、ここまで取り入れるとなると少々煩雑化してしまうかもしれません。
まずは自身の星座の支配星の位置を把握して、それが
居心地の良い位置なのか?、居心地の悪い位置なのか?
という程度でも良いので把握できるようになると良いでしょう。
例えば、支配星がイグザルテーションの位置にある場合は、言うまでもなくその星座への影響力は大きくなります。言うなれば、親が子供を見守っている状態で、子供はのびのびと遊ぶことができますので、
子供(星座)の満足度・至福度は高まります。
一方で支配星がデトリメントだったりすると、支配星そのものがその状態から早く抜け出したいという状態にあり、親が子供の面倒を見ている場合ではない。つまり、支配星の恩恵はまったく受けることができず、
星座に悪影響を及ぼす可能性すらある状態
となりますので、運気の好転は期待できないという状況になります。
ドミサイル(マイ・サイン)の位置関係がもっとも影響力が大きいことは言うまでもありませんが、ホロスコープチャートでは単に位置関係だけでなく、その角度や他の惑星との相関関係も見たうえで、相性などを導いていきますので、
ディグニティ自体は一つの可能性・要素でしかありません。
これ単体で吉凶を判断するものでもなければ、相性診断を行える訳ではありませんが、やはり支配星の位置だけでも把握できれば、何か新しい取り組みや行動を起こす際のタイミング判断に用いることができますし、相性の悪い惑星が自身のハウスに位置する場合には、大きな判断は避けようといったマインドが働くようになります。
各星座別の相性の良い惑星、悪い惑星については、また別の機会で取り上げる予定ですが、ディグニティの概念はとても奥深く、判断に悩むことも多いので、ゆっくりと知識を積み重ねていくようにしましょう。
気になる人との相性や今後の運勢を
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