
ホロスコープを理解するうえで欠かせない概念がアスペクト。
アスペクトとは天体同士がホロスコープ上で形成する角度関係を示し、天体同士の位置関係によってどのように影響し合うかを示す診断要素のひとつです。
その基本概念は「▼なせアスペクトが重要?星座占いが示すアスペクトの基礎と解釈」でもお伝えしているとおり、天体同士がどのように影響し合い、相手からどのような影響を受けるかを推し量るうえ必要不可欠な情報であると言えます。
アスペクトにおいては天体同士の角度を元に、0度のコンジャンクションや180度のオポジション、90度のスクエアといったメジャーアスペクトから、30度のセミセクスタイル、45度のセミスクエアなどのマイナーアスペクトで構成され、それぞれの角度に応じて
相反関係や協調関係にある天体を導く
ことになりますが、そもそもアスペクトという概念の前提として
どうしてその角度がこのような意味を持つの?
という点については、あまり気にしていないというか、詳しく理解しているケースは少ないと思います。
例えば、0度のコンジャンクションは構成する天体の影響を最も受けるとか、90度のスクエアは衝突を生みやすい関係とか、それぞれの角度で象徴が割り振られておりますが、なぜその角度がそのような象徴になったのか?という点について詳しく紐解くと、決して偶然生まれたものではなく、
古代の天文学や哲学が融合して生まれた思想体系
の中から形成されていることが過去の文献から明らかになっています。
アスペクトの起源は遡ること古代ギリシャ。
その当時に考案された古代バビロニア占星術やピタゴラス思想などのギリシャ哲学においては、天体もその角度によって相互の関係性に変化が生じると考えられていました。例えば、人間関係においても、
という状況では互いの関係性が変わるように、天体においてもその配置による相互関係が定義されました。これがアスペクトと言うことになりますが、「どうしてその角度がこのような意味を持つの?」という部分についての回答にはまだなっていません。
現代的な観点で言うと、いずれの角度も心理的には落ち着く値であり、1と自身以外にも約数をもつ合成数という観点では、あまり対立とか緊張を示すような角度ではありません(あくまで主観ですが)。この角度が示す意味合いを深掘りすると、それこそ世界は数と比率によって成り立つという
ピタゴラス思想を深く理解する必要
がでてきてしまいますが、当時は人間の魂も音楽も天体も、すべて数や比率で示され、数式は宇宙の設計図そのものという思想が広まっていたのです。そうした背景があったからこそ、天体同士の角度は単なる位置関係ではなく、人間関係や性質同士の「関わり方の質」を象徴するものとして捉えられていたのです。
次の章では、こうした思想的背景を踏まえたうえで、現代の恋愛や人間関係において、アスペクトをどのように受け取ればよいのかについて考えていきます。

早速ですが、アスペクトが誕生した背景について具体的に見ていきましょう。
改めて説明の余地はありませんが、ホロスコープチャートは360度の円形で示されますが、アスペクトはこの円形を整数比で分割することから始まります。
ピタゴラス思想においては、
惑星も一定の比率で運行している
という前提がありますので、その運行のなかで「どれだけ調和的な比率を保っているか?」という点に着目したのです。
天体の運行のなかで、90度の位置になる時もあれば、120度になる時もある、その場合の双方の関係性を示したのがアスペクトであり、この概念は以下の通りです。
スクエア(90度)・4分割の場合
90度という角度以上に4分割の「4」にフォーカスします。
4が示す内容は「現実・制限・行動」などが象意となり、エレメント同士が噛み合わずにぶつかりやすい配置を示すことから、困難や障害という象徴が与えられました。
この「4」は、点 → 線 → 面 → 立体 という世界観を示しており、抽象から現実へ落とし込まれる最初の数。東西南北や春夏秋冬、人間の四肢など、4が絡むことが多いのはそのためです。
トライン(120度)・3分割の場合
360度を3で割った120度のトラインの象徴は「調和」。
トラインの関係は、性質が似ている同じエレメント同士で形成されるため、自然的・調和的と解釈されます。ホロスコープチャートで見れば一目瞭然ですが、チャート上で120度離れると、必ず同じエレメントの星座同士が向かい合う配置になります。
同じエレメント同士は相性が良いという判断は、命術占いの定番とも言えます。
オポジション(180度)・2分割の場合
最後に360度を2分割したオポジションについて見てみましょう。
天体図を真っ二つに割ったのがオポジションであり、その象徴は「引き合い」「反発」「映し合う」という性質を持ちます。関係が真っ二つに割れるという点では、相反したり、決別というイメージが先行しがちですが、実際には相互理解という意味合いもありますので、必ずしも避けるべき関係ではないという点を理解しておきましょう。
※6つで割ったセクスタイル(60)度なども基本概念は同じ
ここまで深掘りしてみると、単にアスペクトの象徴だけを判断するより
まったく別の意味の象徴すら見えてくる
というところで、例えばスクエアであれば確かに関係性としてはギクシャクした間柄かもしれませんが、上記のとおり90度を構成する「4」は決してネガティブな数ではない(抽象から現実)という点を踏まえると、
努力しなければ進まないけど乗り越えると確かな形になる
という捉え方もできるので、スクエアを過度に警戒する必要はないのです。ただし、
双方が同じ目的であってもやり方は全然違う
ので、摩擦が生じるのは致し方ないのです。
続いては、調和的な関係とされる「トライン」においては、相互関係としてはストレスが少なく居心地が良いとされていますが、一方で
刺激が少なく成長しにくいという側面
もありますので、良い捉え方ばかりではないという点も留意しておくと良いでしょう。相性や関係性としては恵まれているものの、調和・協調に気付きにくく、意識的に活かせないと成長につながりにくく、そのまま関係性は終わってしまうというケースもあるのです。
このように、アスペクトの原理は数字で世界を推し量ったピタゴラス思想を紐解くと、まったく違った世界が見えてきます。単に「この角度ならこういう関係」と決めつけるのではなく、その数字(除数と角度)が何を示すものなのかを理解することで、アスペクトが示す本来の趣旨を掴み取ることができるようになります。

前段では、主にメジャーアスペクトの由来を中心にご説明いたしましたが、
セミセクスタイルなどのマイナーアスペクトは考慮する必要ある?
という点についてはどうでしょうか?
メジャーアスペクトは、2で割れる、3で割れる、6で割れるといった整数で綺麗に分割でき、かつチャート上の配置では、同じエレメント同士が向き合うとか、スクエアであれば必ず別のエレメントが隣同士になるとか、一定のルール的なものがありましたが、マイナーアスペクトに関しては、
必ずしも割り切れる数字ではない
という点が特徴的です。
代表的なマイナーアスペクト
上記のとおり、セミスクエアは90度(スクエア)の半分、セミセクスタイルは60度(セクスタイル)の半分なので、当然360度では割り切れる数値ではありますが、セスキコードレートやクインカンクスなどは、明らかに割り切れない数字。前述のピタゴラス思想からしても、かなり違和感を覚える数値ではありますが、実はこれ
ピタゴラス思想の中核には含まれていない
現代になってから再解釈された角度なのです。
つまり、古代バビロニア占星術からの継承であるホロスコープにおいては、
マイナーアスペクトまでを取り込む必要がない
とも言えるので、占術の目的と紐解く内容の粒度によって、取り込むかどうかを判断しても良い程度の存在なのです。
宇宙をも数値化したピタゴラス思想において、メジャーアスペクトは秩序の象徴であり、マイナーアスペクトとは思想的な重みがまったく異なるため、古典的な占星術でマイナーアスペクトはほぼ使わることがありません。
ちなみに、マイナーアスペクトが示す内容はメジャーアスペクトにくらべて影響力が弱いという判断がなされることが多いのですが、実際には
弱いのではなく「細かい」
というのが正確な認識であり、微細な心理の変化や心のノイズを示すとされています。現代のホロスコープにおいては、マイナーアスペクトまで考慮され、相当細かな部分まで解析している占術も見られます。
一方で情報量が過多ぎみな側面もあり、また、古代文明が重視した「宇宙の構造」を示す以外の角度を用いているという点では、ピタゴラス思想からも外れてしまっているのです。
上述のとおり、ピタゴラス思想のなかでは「4」は抽象から現実、「6」は現実が機能し始めることを示しますが、例えばマイナーアスペクトのひとつ「クインカンクス(150度)においては、せいぜい関連がある数字としては「5」、
ピタゴラス思想の「5」は不安定な状態、違和感の象徴
であるため、クインカンクスもまた調整状態や試練といった象意になったのかもしれません。日常的に占星術を行う場合には特に意識する必要はないかと思いますが、粒度の深い占術を行う際には、ピタゴラス思想における数の意味を理解したうえで、
メジャーアスペクトでは説明がつなかい
といった場合など、状況に応じてマイナーアスペクトを考慮し、原因の補足説明として用いるのが良いかもしれません。