五月病にかかりやすい性格とは？原因なども解説

春になるとよく使われる「5月病」という単語ですが、漠然としたイメージしか持っていないことがほとんどです。この5月病について、ちょっとだけ掘り下げて考えてみましょう。

結論から先に記すと医学的には「5月病」という病気は存在しないようです。実際には心療内科や内科などでは、患者のほうから「5月病っぽいんです。」とうったえたり、医師のほうから「5月病みたいなものでしょうね。」と会話で使われることはあるでしょう。

しかし医師のカルテに診断名として「5月病」と書かれることはなく、発症している症状に沿った様々な診断名が記されています。大抵の場合はうつ病、適応障害、気分障害、不眠症などのよく耳にするものから、稀に発達障害が発覚してその病名が記されているようです。

5月病というものには明確な診断基準はありません。現在置かれている環境に対する適応が難しい状態から生じる、精神的や肉体的な不調による症状を総じて、一般的に「5月病」と呼ぶことが多いということになります。

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日本においては一般的に春先に環境が大幅に変わることが多いのはご存知の通りです。3月に卒業して4月に新たな学校に入学したり、クラス替えがあったり、就職したり。すでに会社員であっても、異動や転勤がもっとも多くなってしまう時期でもあるでしょう。

この3月4月に起こる環境の変化が多少落ち着き始め、ようやく周囲の状況にも馴染み始めたところで、今度は4月下旬から5月あたまに掛けて大型連休がやってきます。大型連休終了後は、一度リセットされた緊張感や高揚感が、再び日常生活に戻ることでぶり返される…といった状況に。

このような目まぐるしいスケジュールが、知らず知らずの間に精神的な負担を生み出して不調に繋がってしまいます。普段よりも5月ごろに不調をうったえる人が多いということもあって「5月病」と称されているようです。

環境の変化が多くなる3月から4月にかけては、その環境に馴染もうと一生懸命に努力するはずです。入学や転勤が決まれば、引越しの準備などで一時的に忙しくなる方もいるでしょう。学校や職場の環境が変わるだけでなく、住環境まで変わってしまうわけですから、適応しなければならない状況が2つあるということにもなります。

新入社員であったり、新しい部署に配属されたりした場合、まったく未知の場所での不安もたくさんあるはずです。あなた自身に転勤や異動がなくても、外部から新しい人が入ってくる可能性だってあります。多くの企業の決算期が3月ということもあって、普段の仕事量よりもかなり多い仕事をこなしてきた人だっているかもしれません。

このように4月までの間に大きな変化を体験した人が5月病を発症しやすくなるようです。

身の周りに大きな変化があったからといって、誰もが必ず5月病になるわけではありません。5月病になりやすいタイプの人は、日頃からとても真面目で几帳面であることが多いようです。

責任感が強かったり、なんでも完璧にこなさないと気が済まないような人もリスクが高まります。また普段から大人しめの性格で、自分の思っていることを口に出せないようなタイプの人、我慢強い性格の人なども要注意です。

しかし、こういった性格の人たちが必ずしも5月病になりやすいわけではありませんし、逆に他人から見てちゃらんぽらんな人がならないとも限りません。環境による変化で引き起こされるストレスは、その人個人にどのような影響を及ぼしているか傍からは想像もつかないものです。

「5月病かも…」と相談された場合はまず話を聞いて、必要なら通院を勧めましょう。

ただでさえ変化の多い時期に、自ら変化を増やさないことが大切です。起床時間や入眠時間、食事時間などの生活リズムはなるべく今まで通りに保つようにしてください。

意外にやってしまいがちな失敗が「環境が一新したことで、これまでの体質改善や勉強にも励もう！」と決意すること。心掛けは立派なのですが、自ら負担を増やしてしまう上に5月病の引き金となってしまうこともあります。

ダイエットや禁煙、資格の勉強などをこの時期にスタートさせるのは止めて、できる限り普段の生活を保つようにしてください。新しい試みは、本当に周囲の環境が落ち着いた頃合いを見計らって実行するようにしましょう。

そして5月病の一番の天敵は、ストレスを溜め続けることです。リラックスする時間やストレス解消の時間をできる限り設けるようにしてください。

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