こんにちは。うちの飼い犬が先日亡くなりました。私が仕事に行っている間、亡くなってしまったのです。
うちの犬の名前はピコといいます。たれ耳でおっとりした目の、ラブラドールと何かの雑種で、抱き上げるのには結構苦労するくらい、大きな犬でした。うちにやってきたのは、12年前。保健所から父が貰ってきたんです。
私は小学生で、ピコは私の子分というより、私を面倒見るお姉さんみたいな顔をして私と一緒にいた記憶があります。私が泣いたり、落ち込んだりしていると、先輩のようにいつも様子を見に来てくれ、大きな背中を私の背中にくっつけて、側にいてくれました。
ここ数年は、ピコも足腰が弱くなり、「もう年だねぇ」なんて家族と会話していた矢先、私が会社に行って帰ってきたら、寝床で動かなくなっていました。呼んでも来ないので、私が撫でにいったところ、冷たくなっていたんです。
ピコが亡くなる、ちょうどその日、私が会社に行く前に、ピコが珍しく玄関まで私を見送りにきて、「なんだかおかしいなぁ」と思ったんです。ピコは自分が死ぬのを予感していたのかもしれません。「今日は家にいてね」という様子で、私の手を鼻先で押したりもしてきました。振り返って、どうして私は会社を休まなかったのだろう、ピコが亡くなるとわかっていたなら、ずる休みしてでも家にいたのに、とずっと後悔しています。
ふと家でくつろいでいて、目を上げると、ピコの背中がないことに気が付いてはっとしたり、ピコのお葬式もすんで、もう家にピコはいないとわかっているのに、ふとした瞬間にピコの名前を呼んで、「あれ、何してるんだろ私、ピコはもういないのになぁ」と辛くなります。夜に私の部屋のドアをそっとあけて、私の布団にきた気配がして目を開けるといない、なんてことがしばしばあります。
ここ数日は、ピコが夢にでてきました。
昨日は夢の中ではピコが生きていて、私はピコと散歩していました。とても幸せな夢で、起きた時私は泣いていました。ピコがいないことが辛く悲しいです。最期に撫でた時の、固くなったピコの体の感触の悲しさばかり思い出します。この辛さをどうやって癒せばいいのでしょうか?
大切な存在が亡くなったときの喪失感、どうしたらいいかという相談ですね。
ところで、相談者さんは、夢の通い路、というのはご存じでしょうか。平安時代の歌なんかに詠まれているもので、夢は恋しいと思う存在のところへ通じているとされ、夢の中では遠く離れた人、亡くなった存在とも会うことができるとされていました。
であれば、相談者さんが大好きだった犬のピコちゃんが出てきたなら、それはワンコちゃんの魂が夢の通い路を通って、またあなたに会いに来てくれたんです。多分ワンコちゃんはあなたのことを天国から見守っていてくれますし、折を見て夢であなたに会いにきてくれます。だってあなたの飼い犬は、生きているときから、そういう面倒見のいい、優しい犬だったのではないでしょうか?
夢の中であなたは幸せだったと言います。そうであれば、一緒に散歩していたワンコも、やっぱり幸せな気持ちで、夢であなたにあったあと、また天国に戻っていったのではないでしょうか。それを悲しむなんて、なんだかもったいないと思いませんか?
ペットロスで落ち込んでいるあなたに、こんなことを言うのは能天気すぎるかなぁと思いますが、わざわざ夢を使って会いに来てくれたワンコちゃんに対して、泣いて悲しむより、喜んだほうが、きてくれたワンコちゃんも嬉しいと思うのです。それに、行くたびにあなたが泣いていたら、ワンコちゃんは、あなたの所に行くのを、次は遠慮してしまうかもしれません。
それからもう一つ、あなたは最期の瞬間に立ち会えなかったことを非常に後悔している様子です。でも、客観的に見て、ワンコちゃんは出かけるあなたにちゃんと最後の挨拶を済ませて、安らかに自宅で亡くなりました。そして家で安心して天に召され、自分を一番大事に思ってくれる人が、亡くなった自分を最初に見つけてくれました。これは、ワンコちゃんにとって、とても幸せなことだったんじゃないかなぁと思います。
そして、満足のいく死のみとり、というのは、私たちの誰も、一人もできないのです。犬であれ人であれ、私たちは心から満足して見送ることができた、なんていうのはほとんどありません。みんなそうです。何かしら後悔を抱えているものです。あなただけじゃない、というのが慰めにならないことはわかっていますが、誰しも死については後悔しやすいもの、そして、あなたは最大限のことをしていたのだと言うことは覚えていてほしいなぁと思います。
自分事ですが、私は老いた犬を飼っています。彼女はまだ亡くなってはいないのですが、もうお年寄りすぎてほとんど歩くことができません。その私の犬は、たまに私の夢に出てきて、二人で散歩をします。私の犬はたぶん、もう走れないから、夢の中で魂になって私に会いに来てくれて、私と散歩しいるのです。そういうとき、私の犬はとても幸せそうで、犬って、なんというかそういうところがあると思います。
おっと、大切な存在が亡くなったときの喪失感、どうしたらいいかという相談でした。わき道にそれてしまってごめんなさい。
正直なことを言うと、今回私はあなたのお役にはたてないかもしれません。
大切な存在を失ったとき、心が痛むのは、その存在を心から大切にしていて、心から愛していたからです。その痛みは、どんな特効薬を使っても、カウンセリングをしても、すぐに癒すことができません。
愛の痛みだけは、どうやってもすぐには癒せません。逆に言えば、すぐに何かの手立てで癒せる痛みであれば、それは、その存在を愛していなかったということになります。
また、私が霊能者であれば、天国からピコちゃんがこんなことを言っていて、なんて伝えられたのかもしれませんが、私にはそういう力はないのです。
あなたはちゃんと、自分の犬を愛していましたね。であれば、どのような手立てもありません。癒せるのはただ時間だけです。あなたに愛された犬は、とても幸せだったと思います。だから夢であなたに会いに来たのです。
次も、きっとまた、夢で逢いに来てくれます。その時までに、あなたが笑顔を取り戻せていますようにと祈っています。
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