九星気学における本命星のひとつ「二黒土星」。
九星のなかでは、中宮に位置する五黄土星や北東を示す八白土星と並び「土」の属性に含まれ、後天定位盤「南西」に位置する本命星です。
二黒は大地そのものを示し、季節は「初秋」(晩夏~初秋)、実り多き初秋の大地の象徴でもあり、性格的にもおおらかで粘り強い、お金が溜まりやすいなど、危険を冒さず堅実的なイメージが台頭します。
そんな九星気学における「二黒土星」の基本的な性質や性格、特徴などの基本情報を詳しく見ていきましょう。
本命星「二黒土星」を持つ人の基本的な性格や本質の特徴として
大地ならではの落ち着きや堅実さ・徳の高さ
という点が挙げられます。
五行思想では「万物はすべて土から生まれる」という概念があることから、二黒土星は土台や基礎を造る星であると同時に、包容力も高く、面倒見が良く母性愛が強いといった特徴の傾向があります。
万物が土より生まれ、それを育てるのも土の役割であることから、
二黒の徳(坤徳[こんとく])・地性の徳
と呼んだりしますが、徳が高く周りからも親しまれ、尊敬されるような性格の持ち主が多い傾向にあります。
なお、二黒土星の性別的な象徴は女性であり、性格は温厚、周りへの配慮や気配りに優れ、真面目で堅実といったことが良く言われる傾向にありますが、その堅実な性格ゆえに確信が持てるもの以外は行動を起こしにくく、
慎重すぎてチャレンジ精神に掛ける
といったネガティブさもあると言えるでしょう。
現状に対する変化にも弱く、新しいことに対する取り組みより現状を維持することにバイアスが向きやすいといった、非革新的な性質も内包しています。
例えば仕事の面で言えば、転職や異動はもってのほか、
新しいものを取り入れることを避ける傾向
にありますので、若いうちに大きな成功を収める可能性は低く、晩年に掛けて運気に恵まれる大器晩成型であることが多いタイプです。
二黒土星の基本的な性格は、温和で大人しいと言われますが、ストレスを溜め込みやすく余計な苦労が絶えないといった面もあります。
また、男性・女性とではその性質も若干異なり、
といった感じで、ストレスを発散するための行動を起こすのにもマイペースで時間を要してしまうため、二黒土星の男性の場合は時折他人をイラつかせてしまうこともあるかもしれません。
スピード感を持った判断や行動は苦手な性質を持ちます。
早く動けない訳では決してありませんが、その判断を下すのに慎重で時間が掛かるため、五行で言う「火の属性」のようなアクティブで積極的な性格の人とは折り合いが悪い傾向にあります。
環境変化への柔軟性も乏しい一方、「一度決めたものは絶対にやり遂げる」といった強い気概さも二黒土星を持つ人の特徴と言えるでしょう。
続いては、二黒土星における五行思想の属性について見ていきましょう。
二黒土星における五行属性は、その名の通り「土」。
同じ土の属性では、中宮に位置する帝王の星「五黄土星」のほか「八白土星」も同じ属性で、九星気学の本命星のなかでは、
唯一同じ「土の属性」に3つの星が属している
という特徴があります。
九星気学における「五黄土星」は他の九星の支配星でもありますので、土に属しているだけで、何か特別な存在のように感じられるところも。
五行思想のなかでは「万物は土から生まれる」という考えもあるため、周りの星と比較して存在感や影響力がある属性なのかもしれません。
二黒土星における九星の定位置を示す後天定位盤の方位は「南西」、中宮の五黄土星を挟んだ定位対冲(じょういたいちゅう)の位置関係(真逆の方位に回座している)にある星は「八白土星」です。
基本的に同じ属性同士の星は相性が良いとされていますが、定位対冲は凶方位と捉えることが多い(流派によってその限りではありませんが)ので、同じ属性だからといって、必ずしも相性が良いと判断しない方が良いかもしれません。
続いて、二黒土星における相剋と相生の関係を見てみましょう。
【相生(相互助長)】
【相剋(相互抑制)】
※相剋(そうこく)と相生(そうしょう)については、過去記事「▼死気・殺気とは?五行説に基づく九星気学の相性と方位」にて詳しくご紹介しておりますので、まずはこちらからの記事をご覧ください。
九星の基本性質から見る相性の良し悪しについては、「火と土」「土と金」は相性が良く、逆に「木と土」「土と水」が相反関係にあるという判断になりますが、後者の「相剋関係」は、
どちらか一方の依存関係が成立している
というケースもありますので、必ずしも相反関係にならないことも少なくありません。
巷でもよく聞く「ダメ男ばかり好きになる女性」という関係性を紐解くと、実はこの相剋の関係であることも多いです。また、逆の相侮関係だったりすることも珍しくありません。
二黒土星は、気質的に温厚で物静かであるがゆえに、相剋や相侮の関係がダラダラ続いてしまう傾向にあります。
それぞれの九星が持つ象徴である「象意」については「▼九星気学における象意とは?九星が示す象意をその意味を理解しよう」で詳しくご紹介しておりますので、このページでは二黒土星の主な象意についてご紹介します。
二黒土星を本命星に持つ人の気質は、男女での違いこそありますが、基本的に忍耐強く思慮が深いため、軽率な行動を取らず信頼できる兄貴的な存在であると言えます。
それゆえに、人を育てたり成長させたりといった能力に長ける一方、性格的に慎重すぎて腰が重いという見方をされてしまうこともあります。
よって、「とりあえずやってみよう」という発想・行動を取る人とは性格的に合わないことも。好奇心旺盛な性格が多い「火」の属性とは相生(相互助長)の関係ではありますが、
意見の相違や関係性がこじれることも多いとされているのです。
また、二黒土星は頑固で信念を貫き通す気質である以上、他人になびくケースは珍しく、会社や社会組織などでも孤立しがちな性格であると言えます。
ただし、その頑固さや意固地さは悪意があるわけではなく実直なだけなので、それがその人本来の良さだと理解できれば、良好な関係性は保てるでしょう。
女性の場合も、二黒土星の象意でもある「母性愛」が強く、無意識に人の面倒を見ていたり、看護師や保育士などの職業に就いたりと、慈愛の精神の持ち主であると言えます。
ただし、慈愛の度が過ぎやすく相手からは「お節介」と思われることもしばしばなので、過干渉には注意が必要です。
また、土の属性であるゆえに「大地の安定さの象徴」で、
一生不変運とも言われるほど運気が安定
する傾向にある一方、大きな成功も大きな失敗もなく、見方を変えれば「平凡」な一生となる可能性もあります。
ゆえに安定を求める晩年期ほど、安定に対する幸福度が高まり、充実した生活を送ることができますが、メリハリを求めるのであれば、
変化を求める火や水の属性を持つパートナーを選ぶ
のも選択肢のひとつと言えるでしょう。
上記、相生・相剋のくだりでもご紹介しましたが、相性が良いとされる「火生土」・「土生金」においては、
相性こそ良いものの価値観の違いが生まれやすい
という点も考慮する一方、相剋の関係性となる「木剋土」・「土剋水」においては、相互抑制という観点でも、土の属性の典型的な慎重すぎる性格を抑制、つまりアクティブさを刺激する存在となる可能性もありますので、必ずしも足を引っ張る存在になるわけではないという点を認識しておくと良いでしょう。
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