九星気学における本命星のひとつ「六白金星」。
「白金」と聞くだけで、何かきらびやかなイメージを持つこの「六白金星」は、後天定位盤では北西を定位置とし、季節は晩秋から立冬を示します。
八卦の方位は「乾(けん)」で、六白金星が位置する北西という方位は、風水の思想では「主人の方位」と呼ばれ、特に出世運や金運に影響すると言われており、六白金星を持つ人は仕事や金運に恵まれやすい傾向にあります。
定位対冲は四緑木星となり、木の属性の星とは相性が悪い(相剋の関係)と言われますが、六白金星は柔軟性に富み、誰とでも上手く付き合っていける
コミュニケーション能力の塊
のような性格の持ち主であることから、「生理的に合わない」といった九星はなく、上辺だけだったとしても五黄土星のような「敵を作りやすい」というタイプではありません。
六白金星が担う季節は収穫後の晩秋ということもあり、1年のなかでもこれから冬を迎え「運気が低迷するかもしれない」という分かれ道的な季節の星となります。
冬に備えてさまざまな準備や対策を講じる必要があり、その柔軟性や行動力、情報収集能力などが求められる星でもあります。
今回は、そんな九星のなかでも最も社交的と言われる「六白金星」の性格や気質、属性から見る相性の良し悪し、特徴などをご紹介していきます。
九星のなかでも、七赤金星と並び「金」の属性を持つ六白金星。
五行思想における「金」とは主に鉄を指しており、鉄が磨かれて斧となり、その斧で木を切り倒すことができることから、金と木の属性は相剋(死気)の関係、一方で火は金を溶かすことから、唯一の火の属性である「九紫火星」とは相剋(殺気)の関係となります。
六白金星の基本的な性格は聡明かつ真面目
です。金が象徴する鉄のように固い意志を持ち、真面目で几帳面ではありますが、一方陽気で明るく、誰とでも仲良くできるコミュニケーション能力を持ちます。
場の空気感や雰囲気を感じ取って、自らその場の雰囲気を和ませてくれるため、
ムードメーカーとしての求心力が高く
自身では、あまり前面に立って目立とうとは考えていないものの、周囲からの信頼もあってかリーダー的なポジションを任されることも少なくありません。
性格的には、環境や状況に応じて臨機応変に動くことができる四緑木星の性格と似ている部分もありますが、六白金星は
自らの考えや態度をしっかりと表現する
ため、自身でストレスを溜め込むこともありませんが、そのストレートな態度や物言いが、時として相手を不快にさせることも多いため、我慢して溜め込んでしまう性格の人とは、あまり相性が良いとは言えないかもしれません。
ただし、決して理不尽なことを言う訳ではなく、物事を良くするため、発展させるための建設的な議論として捉えているため、自身では「相手を傷つけるかもしれない」という考えがなく、
自分の感情を押し出すこともほとんどない
というのが特徴として挙げられます。
特に女性の場合は、「クールビューティ」という言葉が一番しっくりくるかもしれませんが、清廉潔白で裏表がないため、人としては非常に信用できる頼もしい存在となります。
また、金運や仕事運に恵まれていることもあってか、
といった傾向にあります。
仕事に対しては妥協することがないため、周りの人たちとの温度感の差から、一人浮いてしまうことも多々ありますが、こうした孤軍奮闘のスタンスは、上司や経営者に好まれやすいことから、会社内でも出世もしやすかったり、独立後も短い期間で成功することが多いのも六白金星のメリットかもしれません。
これらのように、六白金星を本命星に持つ人の基本的な性格は、
いつも冷静沈着で自身の感情を表に出さない
という点が挙げられるため、男女の恋愛などにおいては「喧嘩が起きない」「本音を言わない」といった点で、相手から不満を抱かれることも多く、また言い合いになっても論理的な議論になってしまい、結局ケンカにならないという点では、少々気難しい部分もあるかもしれません。
常に冷静で鉄のような冷たさを感じる
ことも少なくありませんので、そういう点では常に情熱的で感情を露わにする「火」の属性とは、やはり相性が悪いのかもしれません。
続いては五行思想の属性から、六白金星と各星との相性の良し悪しについて見ていきましょう。
六白金星における五行属性は、七赤金星と同じ「金」。
五行思想における金は、磨かれるまえの鉄であったり、磨かれるのが前提の「原石」を意味しますので、磨かれることによる変化や成長、
晩年期に向けた晩成を意味します。
上述のとおり、晩秋から立冬の季節を担う星となりますので、一年間の総括をしたり、来年に向けた目標を立て、その目標を達成するための手段を講じるのもまた六白金星が得意とするところ。
ただし、五黄土星の性格のように、周りの意見を聞かずに一人で突っ走るのではなく、
協力者をうまく活用することに長けている
ため、見方を変えれば「いやらしい」とも言えますが、九星のなかでは最も効率的に事を運ぶことができるとても聡明な頭脳の持ち主だったりします。
そんな六白金星との相性ですが、後天定位盤の方位では
■吉方位
一白水星、二黒土星、七赤金星、八白土星
■凶方位
三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、九紫火星
となります。むろん、同じ六白金星同士の相性は他の星同様良くない傾向にありますが、水と土の属性においては相生の関係、木と火においては相剋の関係となります。
また、五黄土星との相性ですが、基本的に六白金星が臨機応変に立ち振る舞うため、五黄土星からの信頼も得やすいのですが、
互いに心の底から信用していない
ため、六白金星からすると「目立ちすぎて打たれるのを避けたい」、五黄土星からすると「信用できないけどその聡明さは必要」といった具合に、持ちつ持たれつの関係であることが多い傾向にあります。
次に相生・相剋の関係を具体的に見てみましょう。
【相生(相互助長)】
【相剋(相互抑制)】
続いて、相生・相剋における生気・退気・比和、死気・殺気の分類も確認しておきましょう。
生気・退気・比和に関する詳細は、過去記事「死気・殺気とは?五行説に基づく九星気学の相性と方位」を参考にしてください。
■相生
■相剋
こうして見るだけでも、ある程度相性の良し悪しは判断できるところではありますが、六白金星の性格の持ち主自身が、周りの雰囲気やその人の性格に合わせられるほど順応性が高いため、自身では「あまり相性の良し悪しを感じないかも」しれません。
それぞれの九星が持つ物事や事柄の象徴である「象意」。
象意については「▼九星気学における象意とは?九星が示す象意をその意味を理解しよう」で詳しくご紹介しておりますが、ここでは「六白金星」における主な象意についてご紹介します。
聡明で世渡り上手な性格が特徴の「六白金星」。
その聡明さが時として「無感情」であったり、「冷酷」と捉えられてしまうことも多々ありますが、感情的になることで物事の判断を見誤る可能性を高めることから、こうした常に冷静に判断できるタイプは、会社組織のなかでは重宝されますし、男女間の付き合いにおいても、例えば
ケンカ後も意地を張らずにすぐに関係修復できる
といったメリットもあるのです。
そういう意味では、周りへの気配りは「四緑木星」以上に得意とし、場の雰囲気を読み取る能力にも長けております。
また、両者の意見に板挟みされるようなこともなく、自分自身でストレスを抱え込むこともないので、常に高いパフォーマンスが発揮できる万能タイプと言えるでしょう。
ただし、場の雰囲気や上司などの機嫌などを伺いつつも
まわりくどいことや効率の悪いことは回避する
傾向にあり、それに対する反発があったとしても論理的に説明をし、反論の余地を与えなかったり、つけ入る隙を与えないことで、何かと敵を作りやすい側面もあります。
また、聡明ゆえに
「自分が一番頭がいい」といったプライドも高い
ため、自身のちょっとしたミスでも周りから責められたりと、損をすることも多い傾向にあります。
ただし、決して他力本願ではなく自身で積極的に行動を起こすタイプで、自身で納得するまで突き詰める性格なので、経営者や政治家などの五黄土星の性質と近い点もあることから、社長に気に入られたりすることも多い傾向にあります。
そういう観点では、相生の生気(恩恵を受ける)の関係である
二黒土星や五黄土星、八白土星との相性がもっとも良好
であると言え、逆に相剋の殺気の関係となる
九紫火星が、もっとも六白金星をかき乱す存在になる
かもしれませんので、別ページ「▼九紫火星の基礎知識~基本性質や属性・象意ほか」の内容もしっかりと把握しておくと良いでしょう。
もちろん、人の性格や気質は本命星のみで決まるものではありませんが、その人の本質を見極めるうえでは、
本人では気付かないこうした気質を持っている
ということを把握しておくだけでも、その人との付き合い方が変わってきます。
相手のペースに合わせることで自分自身を見失ってしまわぬよう、相手の心の奥底に持っている本質的な部分を少しでも掴み取れるよう、心がけることが肝要です。
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