九星気学における最後の九星「九紫火星(きゅうしかせい)」。
五行思想のなかでは、唯一「火」の属性に分類される星となり、その文字からも掴み取れるように、火のような熱い情熱を持っていたり、行動の積極性、激しさといったポジティブな要素の塊とも言える星になります。
「五黄土星」における破壊の帝王ような陰のヒーローではなく、九紫火星を持つ人は
生まれながらにして強い運気と才能を兼ね備え
リーダーシップを発揮したり、明るく社交的で常にグループの中心にいたりと、異性にも非常に人気でカリスマ性があります。
また、洞察力や観察力にも優れ、基本的には勉強もできて頭脳明晰でありますが、やはりこれだけのスペックを兼ね備えると天狗になってしまい、人を見下したり、自己中心的な行動や発言が目立ってしまう傾向にあることは否定できません。
このページでは、そんな陽のヒーローとも言える万能キャラクター「九紫火星」の基本的な性格や気質、特徴、他の星との相性の良し悪しなどを詳しくご紹介していきます。
火や太陽の象徴とも言われる「九紫火星」。
後天定位盤での方位は「南」となり、八卦の易は「離(り)」、合わせて「離火(りか)」と呼ばれることもありますが、火や紫に関する象徴は、すべて九紫火星の象意となります。
「火」自体は太陽や知性を示す側面もあり、「太陽があるからこそさまざまな命が芽生え」、そして「人は知性を得ることで文明が発達した」という考えのもと、その象徴が九紫火星ということになります。
言わば、五黄土星が闇の帝王だとすると、九紫火星が「光の帝王」となるのかもしれませんが、九紫火星の特徴としては、
あらゆる能力や才能を持ち合わせている
という点が一番に上げられ、何をやらせても得意、何もしなくても人気者になってしまうのがこの星の特徴でもあります。
頭脳や容姿はもちろんのこと、人とのコミュニケーションであったり、洞察力や直観的なセンス、情熱や積極性など、どれをとってもポジティブな評価となり、当然他の九星を支配できるほどの力があります。
ただし、闇の帝王「五黄土星」の能力と大きく異なる点としては
九紫火星の能力は原動力となる木が必要
であることです。
つまり、強い火を起こすためにはたくさんの「木」が必要となるため、後述いたしますが、その魅力や能力を存分に発揮するためには、相生の関係となる「三碧木星や四緑木星のパートナーが必要になる」ということを忘れてはなりません。
ゆえに、自らの能力を引けらかそうとすると、周りから大反発を受けてしまい孤立してしまうことも多々あり、そういう面ではコミュニケーション能力はあっても
全体をまとめる統率力やリーダー気質には欠ける
かもしれません。
また、火という属性の宿命かもしれませんが、物事に対して粘り強く継続することを極端に嫌います。「熱しやすく冷めやすい」つまり飽きっぽいということになりますが、人間関係、特に男女間においては致命的な性格ではあります。
特に結婚相手として検討している人が九紫火星の持ち主であれば、最低でも1年間はその人の振る舞いや態度の変化を観察した方が良いでしょう。
過去記事「▼九紫火星は離婚率が高い?九星気学で学ぶ円満な結婚生活のヒント」でもご紹介しているように、古くから「九紫火星は離婚率が高い」とも言われますので、このページでしっかりと九紫火星の基本性質や気質を身に付けておくと良いでしょう。
ちなみに九紫火星が受け持つ季節は「夏」(6~7月上旬)。
太陽の光が南にまわりこむ季節であり、陰陽の分岐点でもあることから運気の転換点となることも珍しくありません。
八卦が示す「離」も同様、火や情熱、才能などを示しており、やる気や情熱が周りの人をも揺り動かすのですが、飽きっぽい性格が災いとなり、
結局なに一つ成し得ることができない
ということも少なくありません。
九紫火星の運気は若年期から晩年期まで、全体的に強さを維持するため、常に強気で自信満々で行動する傾向にあります。
ただし、さまざまなものを興味本位で広く浅くかじる程度で、思慮が浅く行動も長続きしないことから、それに嫌気がさして人がだんだんと離れていってしまいます。それを引き留めようとさらに無茶をするようになるため、
最終的には孤独になってしまうという少々寂しい星
かもしれません。
九紫火星の基本能力は高いため、何事もすべて自分ひとりでできると思いがちで、周りの人との協調性などは皆無ではありますが、結局のところ周りの助けが必要だということを理解するのが中年期以降となるため、晩年期まで運気が安定しないこともしばしば・・・。
若年期に多くの失敗や人とのトラブルを経験したうえで、他の星の手助けが必要ということに気づくことができれば晩年期に向けて運気は安定するでしょう。
そんな孤高のヒーローとも言える「九紫火星」ですが、続いては「五行思想の属性や相性の良し悪し」について詳しく見ていきましょう。
今回初めて登場するのが「火」の属性。
五行思想「木・火・土・金・水」のなかで、火の属性は唯一九紫火星のみとなります。
上記では、基本的な性質や性格をお伝えいたしましたが、まずは、九紫火星に対する吉凶方位からの相性を見てみましょう。
■吉方位
二黒土星、三碧木星、四緑木星、八白土星
■凶方位
一白水星、五黄土星、六白金星、七赤金星、九紫火星
基本的に相互関係となる「木と土」の属性とは相性が良いと解釈され、逆に火を消してしまう「水」や、鉄を溶かしてしまう「金」の属性とは相性が悪い傾向にあると判断するのは、五行思想の基本となります。
続いては、相生と相剋の関係、さらには生気・退気などの細かな分類を見ていきましょう。
【相生(相互助長)】
【相剋(相互抑制)】
※相生(そうしょう)と相剋(そうこく)については、過去記事「▼死気・殺気とは?五行説に基づく九星気学の相性と方位」を参考にしてください。
九紫火星における各星との相互関係を見ますと
■相生
■相剋
という関係になります。
性格や気質的な側面でみると、比和(調和・協調の関係)においては「五黄土星」が当てはまっても良いかもしれません。
また、方位盤では定位対沖の位置関係となる「一白水星」は水剋火の関係でもありまさに「火と油」。まったく折り合いがつかないどころか、トラブルメーカーともなりやすい点は留意しておきましょう。
それぞれの九星が持つ物事や事柄の象徴である「象意」。
象意が何を示すかは、過去記事「▼九星気学における象意とは?九星が示す象意をその意味を理解しよう」をまずはじめに見ていただき、象意に対する理解を深めると分かりやすくなります。
ここでは、九紫火星の象意の一例をご紹介していきます。
これまでお伝えしてきたように、九紫火星を本命星に持つ人の性格としては
といった点が挙げられます。
「五黄土星」のように、カリスマ的存在ではありますが、周りの星を支配するほどの力はなく、かつ「八白土星」のように他の星を動かす能力もないため、結果的に孤立してしまうことも多いという点は数少ない短所のひとつかもしれません。
若年期から晩年期まで安定して強い運気を維持するため、特に大きな挫折期はないかもしれませんが、やはり火の属性は
木の属性の力を借りる必要がある
という点に早めに気づくことが肝要で、周りの助けなしでは何も成し遂げられないという謙虚さを持つことで、孤立してしまうことは避けられるでしょう。
ただし、基本的には他の星の多くは九紫火星の存在を「羨む・妬む」という感情が先行するため、特に女性においては、
きらびやかで注目の的となる「七赤金星」との相性が合わない
傾向にあります。
また、上記でも軽く触れましたが、「一白水星」もまた「火」の効果を打ち消してしまいますので、自分自身が気付かないうちに、関係性に亀裂が入っていたり、知らず知らずに傷つけていたりすることがあるので注意が必要です。
また、凶方位に含まれる「五黄土星」との接し方にも留意が必要で、互いの星でリーダー気質が衝突し、
特に五黄土星は他の星を動かす力を持っている
ことから、自ら手を下さなくとも周りの人によって徐々にその能力や影響力が削がれていくことになります。
結果的にグループ内で仲間外れにされたり、会社組織では重要なプロジェクトを任されなったりと、居場所が奪われてしまうことにもなりかねません。
能ある鷹は爪を隠す
と言われるように、その生まれ持った天性の才能は、嫌みのようにひけらかすのではなく、必要な時に必要な人に対して能力を発揮すれば良いのです。
情熱だけで突き進む積極性は評価されるところではありますが、壮年期~中年期ではその行動に責任が伴うもので、
積極性よりも安定性や信頼性が評価される社会
においては、やはり情熱だけでは問題が解決できないのが現実です。
カリスマ的な存在を維持するのであれば、周りの人がサポートしてくれるような性格や気質を持つべきで、常に謙虚さを忘れず、その有り余る才能で周りの人を積極的にサポートしてあげることで信頼を積み重ねることが大切・・・ということを若年期に学べるよう意識しましょう。
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