九星気学における本命星のひとつ「四緑木星」。
二黒土星が大地の象徴であるのに対し、四緑木星はまさに大地に根を張る木々そのもの。
一年の始まりに、三碧木星が土台を用意した新芽に対して、四緑木星がそれら作物を成長させるといった役割を担い、晩夏から初秋にかけての収穫時期に合わせて、より多くの実りを得るため、多くの知恵や創意工夫を実行するのがこの星の定めと言えます。
そんな役割を担う四緑木星であるがゆえ、さまざまな情報を得て成功を収めようとする気質があり、人付き合いが上手く社交的であるのが最大の特徴。作物の成長を常に監視するように、まわりの人に対する気配りも上手です。
「誰からも好かれる性格」とはまさに四緑木星のような性格とも言えるのですが、逆にまわりに気を遣い過ぎて自滅しやすいという短所もあります。
このページでは、そんな「四緑木星」の基本的な性質や性格、特徴などの基本情報をご紹介していきます。
まずはじめに「四緑木星」を本命星に持つ人の基本的性格・気質を見ていきましょう。
四緑木星の性格の特徴として、まず最初に挙げられるのが非常に温厚で温和な性格であるということです。
二黒土星の象徴「母なる大地」と似た側面もありますが、誰にでも分け隔てなく愛情を注ぐ母性愛の塊のような優しい人柄であり、社交的で誰からも好かれるクセのない性格であると言えます。
また、非常にスマートで賢く、
環境や状況に応じて臨機応変に動ける
という点は「水」の属性に近しい部分を感じさせますが、自身ではしっかりと芯を持っていて、信念を貫き我を通す側面もあります。
自分自身を柔軟に変化させることができる一方、八方美人的な表裏がないため、異性として付き合うなら安定かつ堅実と言っても過言ではありません。
また、まわりの人に対する気配りも上手で、チーム内で言えば「現場と上司との調整役」的な立ち振る舞いができるタイプ。リーダー的な気質には欠けるかもしれませんが、リーダーにとっても現場スタッフにとっても欠かせない存在になります。
一方で、
常に周りに気を使い過ぎてストレスを感じやすい
といった弱さもあり、色々な人の意見を聞きすぎることで自分で処理ができなくなってしまうことも少なくありません。そういう意味では、
八方美人ではないものの優柔不断
な部分が目立ってしまうこともありますが、基本的に根が優しいため、仕事面では仇になることはあっても、その優柔不断さで人から嫌われることはありません。
良く言えば「誰にでも優しく性格は温厚」、悪く言えば「個性が弱く特徴がない」というアベレージ的な性格ではありますが、
運気の傾向は若年・壮年期にピークを迎える傾向
にありますので、同じ「木」の属性である三碧木星と比べても、中年期以降の安定感は四緑木星に軍配が上がるかもしれません。
なお、八卦においては三碧木星が「震」で雷の象徴ではありましたが、
四緑木星の八卦は「巽(そん)」で風の象徴
となります。
巽が意味する基本象意は「自由さや柔軟さ」「風によって運ばれる」「情報が届けられる」「万物が育成する」「どこにでも侵入する」といったことが示される一方、「陽気を吹き飛ばす」「移り気で気が変わるのが早い」といったネガティブな要素もありますので、
高い柔軟性をどのように性格に活かすか?
という点が課題であると言っても過言ではないでしょう。
続いては、四緑木星における五行思想の属性や相性の良し悪しについて見ていきましょう。
陰陽五行における四緑木星の属性は「木」。
三碧木星同様、大地に根を下ろす樹木であったり、農作物であったり、豊かな自然といった緑の象徴でもあります。
冒頭でもお伝えしているとおり、春に植えた作物を最大限多く収穫するために試行錯誤したり、悪天候などで不作とならないよう対応を取るのが四緑木星の役割です。そのためにも多彩な情報収集であったり、
臨機応変な対応が求められる
というのも性格を決定づける要因のひとつになっています。
後天定位盤の定位置は「南東」で、対沖関係にある星は「六白金星」。
四緑木星から見た吉方位には「一白水星、三碧木星、九紫火星」が位置し、凶方位には「二黒土星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星」になります。
つまり、三碧木星と同様に、
四緑木星同士は良い面も悪い面も強く出てしまう
ため、同じ属性同士でも相性が良いとは言えません。
例えば、四緑木星が気質的に持つ短所が同じになってしまうことで、仮に価値観が一緒でも互いに不快感を覚えたり、同じ空間にいるだけで苦しくなったりすることも少なくないでしょう。
互いの価値観自体は共感できたとしても、
歯車が噛み合い過ぎて互いに疲れてしまう
といった感じで、端的に相性の良し悪しだけで言えば、上記「吉方位」で挙げた一白水星・三碧木星・九紫火星との相性が良いということになります。
もちろん、より深く紐解くうえでは上記星のみに限らず、八卦の易経の組み合わせなども含めて勘案する必要がありますよ。
続いて、相生・相剋の関係を見てみましょう。
三碧木星も四緑木星も同じ属性であり、相生・相剋の関係も三碧木星と同じになります。三碧木星の基本情報「▼三碧木星の基礎知識~基本性質や属性・象意ほか」も併せてご参照ください。
【相生(相互助長)】
【相剋(相互抑制)】
また、相生における生気・退気、相剋における死気・殺気も同様となります。
比和については、三碧木星と四緑木星が協調関係にあり、言わば三碧木星が作った土台を四緑木星がより発展させる(作物をより多く実らせる)といった協力関係にあるため、両本命星を持つ人同士は最も相性が良いかもしれません。
それぞれの九星が持つ象徴である「象意」。
「象意ってなに?」
という方は、「▼九星気学における象意とは?九星が示す象意をその意味を理解しよう」を先にご覧いただければと思いますが、こちらでは「四緑木星」の主な象意についてご紹介します。
四緑木星の主な基本的性質は、冒頭でもお伝えしたとおり
上記のような性格が多い傾向にあります。
男女問わず心根が優しく、その優しさが周りに理解されるため、特に敵を作るようなタイプではありません。グループをまとめるような役割においても周りの意見に耳を傾け、一方的に物事を決めないため反発も起きにくいでしょう。
その一方、やはり決定打に欠けるため、優柔不断に映ってしまうことが多いかもしれません。そういう意味では、生来政治家などには向いていないとも言えます。
四緑木星の象意でもある「長いもの」に象徴されるように、
「長い物には巻かれろ」
ということわざは、まさに四緑木星の気質を示しているかもしれませんね。
もちろん、社会に出た際、会社組織などでは「係長・課長」がその役割を担っているため必要不可欠な存在であることは言うまでもありませんよ。
また、先述のとおり、
運気は壮年期でピークを迎える傾向
にありますので、三碧木星と同様、若・壮年期に自分のポジションをしっかりと固めておくことで、中年期以降も安定した生活を送ることができるでしょう。
特に情報収集や情報伝達、コミュニケーション能力には長けているので、そうした特長を活かせる仕事はまさに天職となります。
対人関係においては、異性として付き合ったり結婚したりする場合には、最も無難な性格の持ち主と言えますが、他の星の性格と比べるとメリハリに乏しいといった点も。
中年期以降は運気も停滞しますので、夫婦関係としてはトラブルが多くなる(他の星の女性側が不満を持つことが多い傾向にある)かもしれません。
四緑木星の性格上だまされやすい
という点も留意しておく必要があります。
人の良さにつけこまれやすく、それによって夫婦関係や人間関係が崩れたり、自分自身のメンタルが崩壊したりと、打たれ弱さが露呈しがちです。
四緑木星の性質は「相手の意見を尊重する」タイプ。属性的には相剋ではありますが、同じような性質を持つ「六白金星」を持つ人などと意外と相性が合う場合もあります。
ただし、一白水星も同様ですが、
双方で考えやスタンスが流動的だと物事が決まらない
という、互いに気を遣い過ぎて疲れてしまう・・・なんてことも起こりやすいので、必ずどちらかが主導権を握れるような関係性を保つことが秘訣と言えます。
四緑木星の性質上、その優しさゆえに「外面だけは良い」とみられがちですが、その心の底にある優しさに気づいてくれる人こそ生涯のパートナーとなりうる人でしょう。
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