九星気学における「万人に対する凶方位」とされるのが、五黄殺であったり、暗剣殺であったり、歳破や月破などが挙げられ、また個人の九星に対する凶方位として、本命殺や本命的殺があることはご承知のとおりです。
凶相においては、その多くで「殺」や「破」といったネガティブな用語が用いられていることから、字体だけでもその運気低迷が伝わってくるところではありますが、同じ五行思想の東洋占術である「四柱推命」や「算命学」においても、
天中殺と呼ばれる厄年的な定義があり
その天中殺の期間は、何をしても上手くいかず天をも味方してくれない、といった衰運期間を指します。天中殺は、厳密には算命学上の呼び名であり、四柱推命では「空亡(くうぼう)」と呼ばれますが、いずれも
十干と十二支を組み合わせたときに余る二支
を指しており、同じ五行思想を用いる九星気学においても十干と十二支を用いるため、天中殺の概念を頭の片隅においておく必要があるでしょう。
なお、過去記事「▼9年に1度の厄年!?九星気学における厄年「陥入(坎入)」の捉え方と対処法」で取り上げた
九星気学における9年に一度の厄年「陥入」
もまた天中殺に似たような命式ではありますが、四柱推命における天中殺は、10年ごとに2年間は運気の低迷期があり、その2年間は人生における冬の季節と言えます。
ただ、凶方位とは異なり、自身にとって常に悪いことが起きるというより、
何をしても運気に恵まれない期間
という捉え方の方が正解に近く、十干と十二支の組み合わせで言えば、
誰しも12年間のうち必ず天中殺が訪れる
ということになりますので、「陥入」と同じように運気の切替えタイミングという認識を持っておくことが大切です。
陥入の影響も1~2年(年盤での判断の場合)、天中殺も2年間ということなので、運気の低迷期間としては相当に長く感じる部分ではありますが、天中殺の概念も取り入れることで
大きな失敗を避けることができるかも?
と考えると、知っていて損はない命式のひとつと言えるでしょう。
今回は、そんな「天中殺」の捉え方、日常生活への取り入れ方についてご紹介していきます。
上記でご紹介したように、天中殺は十干と十二支の組み合わせのなかで、十二支のうちで2つ余る2年間はエネルギーの調和が取れなくなり、運気が不安定となるとされています。九星気学における十干・十二支は、「六十干支」とも呼ばれ、60年で一巡しますが、
【十二支】
・子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)
これらを組み合わせたのが六十干支で
といった具合に続きます。
上記で十干はすべてで切ってしまいましたが、十二支においては「戌(いぬ)・亥(い)」が残っている状態。つまり、これが天中殺の期間でありますが、九星気学においては、十干の最初に戻るため、上記六十干支の続きは
甲戌(こうじゅつ)
乙亥(いつがい)
丙子(へいし)・・・
といった具合に続き、60パターンのの組み合わせを経て一巡するため、明確には四柱推命でいうところの「天中殺」という凶相は存在しません。
四柱推命における天中殺においては、十二支のズレによって起こる以下のような決まった組み合わせがあり、
上記の例では、十二支の最後「戌(いぬ)・亥(い)」が余った状態でしたので、部分類としては「戌亥(いぬい)天中殺」に該当します。これら6つの分類は、
天中殺がいつ訪れ、いつ去るか?
を見極めるために使用され、すべての天中殺が天に見放される運命という訳ではありません。例えば、子丑天中殺は運気の切り替わり時で、目的達成のためにつき進む期間、戌亥天中殺も実行力やスピード感が必要な時期ではありますので、
すべてがネガティブ要素・凶相という訳ではない
という点は誤解しないようにしましょう。
ただ、その他の天中殺においては、停滞や失敗を示すものもありますので、特に大きな決断によって人生が左右するような「起業」や「結婚」、「引っ越し」などは自ら積極的になるタイミングではないということを認識しておく必要があります。
何か大きな決断ミスをしてしまったり、やることなすことすべて空回りしているなどの自覚があるようでしたら、天中殺の真っ最中でないか?などを、一度本格的に調べてみたり、カウンセリングを受けたりしてみると良いでしょう。
九星気学においては、本命星と月命星が重なると最大吉方となったり、逆に最大の凶方位になったりと、その効果が大きくなるとされていますが、天中殺においても同様、2年連続で訪れ、2か月連続で訪れることになります。
例えば、上記の例で挙げました戌亥天中殺ですが
が天中殺の期間でした。
つまり、天中殺が12年に1度ですから、次の天中殺が2030年~2031年となるわけですが、その年の10月・11月は、特に運気が下振れている可能性があり、戌と亥が欠けている状態ですので、十二支の基本性質から勘案すると、
注意力や行動力に欠け、実行に対する現実性も乏しい
などと判断することもできます。
天中殺期間においては概ね凶運期であって判断力も鈍ることから、上記でも触れましたように大きな決断は避けた方が良いとされていますが、これは何も行動を起こさない方が良いということではなく、
事前準備を綿密に行うことが肝要
ということを示していることでもあります。
例えば、運気が上向いているときなら、何となく起こした行動が成功したり、正解だったりするようなことが、凶運期においてはすべて悪い方向に転んでしまう・・・、なんてことは人生において一度や二度は経験しているはず。一方、しっかりと計画性を持って準備した行動であれば、
運任せ的な結果にはなりにくい
ということも言えるのです。
ただし、住宅購入や引っ越し、起業などは自身の準備である程度カバーできる範囲かもしれませんが、結婚や恋愛など相手がいる場合には、自身で取れる準備の範疇を超えた予想外のことが起こりやすいため、対人関係においては慎重、もしくは耐えるべく準備期間なのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
五行思想における天中殺は、九星気学においても知っておいて損はない命式ではありますので、何か上手くいかない日々が続くような場合は、天中殺の影響も疑ってみるようにしましょう。
九星気学で相性や運勢が丸わかり!