九星気学における方位鑑定においては、吉方位となる「相生や比和」、凶方位となる「相剋」のほか、すべての人が対象となる凶方位「五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺」が存在するということを過去にご紹介してきました。
特に万人対象となる五黄殺などの凶方位は、その名称のイメージからも非常にネガティブな印象を受けますが、
それでは逆に万人に対する吉方位はないの?
という疑問が生じます。
今回の記事でご紹介するのが、この万人に対する吉方位である大歳(太歳)で、その年における十二支の方位がそれに該当します。
例えば、2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」となりますので、九星気学の年盤で割り当てられる
乙巳の方位は南東より南寄り、南南東の方角
ということになります。
ところで、そもそもこの「大歳」とは何を示すもので、どのような活用をすれば良いのでしょうか?
大歳が吉方位であれば、その方向に祐気取りをすれば良いということは、過去記事「▼祐気取りってなに?九星が示す吉方位で運気を上げよう」でもご紹介しているとおりですが、今回は
といった内容について詳しくご紹介していきます。
なお、大歳以外にも万人に共通する吉方位としては「天道」が挙げられますが、凶方位である五黄殺、暗剣殺、歳破などのネガティブな凶運は抑えられないとされており、同じ吉方位であっても「大歳」とは切り離して考えることが多い傾向にあります。
九星気学においては、吉方位の恩恵を受ける以上に、凶方位の悪影響を抑制することに重きを置く傾向にありますが、
大歳においては吉方位の恩恵が何倍にもなる
と言われており、天道では抑えられない五黄殺、暗剣殺、歳破などの凶運も、大歳の方位を司る吉神「大歳神」であれば抑えることができるのです。
早速ですが、九星気学における大歳方位を知り、大歳の恩恵を最大限受けられるよう詳しく見ていきましょう。
早速ですが、大歳の方位について詳しく見ていきましょう。
大歳の方位は、その年の干支が示す方位であるということを上述しましたが、九星気学の思想の元となっている陰陽五行思想のなかで、八つの方位を守る八将神が存在します。その八将神のひとつが「大歳神」であり、
大歳神はその年の干支の方位に在位し
その方位の吉凶を司っていると言われます。
八将神のなかでも特別な存在となる大歳神は、唯一「吉意」を持っており、その他の方位を守る八将神は「凶意」しか持っておらず、ゆえに吉方位より凶方位の方が多いということが言えます。
ただ、大歳神の「吉意」は、
特定の行為・行動に対してのみ有効で
大歳神は「木」の精であり、万物育成の神であることから、
植樹や建設的な行為には吉として作用
しますが、逆に木の伐採や破壊的な行動は、五黄殺や暗剣殺などと同様、凶意が勝ってしまう点で注意が必要です。
ちなみに、大歳は年盤での方位となりますが、月盤では「月建(げっけん」と呼び、大歳ほどの強さはありませんが、吉方位としての効果は得られると言われています。
大歳神が司る方位「大歳」ですが、建物を建てたり、新たなものを創作するなどの建設的な行為に対しては、
3~4倍もの吉効果が得られる
とされている一方、方位盤における大歳方位の真逆(対冲)を示す歳破の影響も受けるほか、大歳の方位と暗剣殺などの凶方位が重なるような場合は、それなりに警戒が必要となるため、大歳の方位だからといって手放しで喜べる訳ではありません。
そのほかにも、大歳による吉の効果があまりにも強すぎるため、お年寄りや小さな子供などは、
その吉のエネルギーに負けてしまう
場合もあります。
大歳の方位においては、吉作用も凶作用も3~4倍になる可能性があるということを念頭に、くれぐれも大歳神の怒りに触れるような、木の伐採や植え替え(植物を抜く行為)、家の取り壊しといった破壊行為は避けるようにしましょう。
大歳の方位効果については、概ね理解できたと思いますが、こうした万人を対象とした吉方位や凶方位は、その方位だけのメリットやデメリットを受けるだけでなく、「その反対に位置する方位の影響も受ける」ということも忘れてはなりません。
大歳における吉方位の判断については、
純粋に最も強い吉方位
と判断する者もいれば、諸刃の剣と判断する者もいるため、大歳は吉神ではあるものの特定行為以外はあまり恩恵を授かることができない、程度に考えておく方が無難。つまり、大歳は恵方のひとつであり、
心の拠りどころのようなもの
なのかもしれませんが、全般的な運気が凶方位の影響を受け、日々苦難やトラブルが続くような状態であれば、年神が祀られてる全国各地の大歳神社(全国で約400社近くあり)を巡ってみるのも良いでしょう。
なお、九星気学の根底部分になりますが、そもそも
大歳は気学ではなく「方位神」
になりますので、あまり気にしないという方も少なくありません。
大歳を気にするのであれば、吉方位となる旅行先を選んだり、引っ越し先の決定などに活用するのが良いかもしれませんね。
これらのように、大歳は「万人における吉方位」として知られていますが、本命星別に割り出される吉方位「生気」などとは異なり、
イレギュラー的な方位だということを認識
しておく必要があります。
大歳の効果は大きくとも、その分凶方位の影響も受ける可能性があることも念頭に置きつつ、実生活にて上手な方位取りを心がけるようにしましょう。
九星気学で相性や運勢が丸わかり!