西洋占星術における様式3区分(モダリティ)のひとつ「柔軟宮」。
ミュータブルサインとも言われるこのモダリティは、柔軟性や順応性に高く、時々の変化や新たな環境に対する高い適応力をもった知的な性格が特徴の星座の持ち主です。
柔軟宮に属する星座は
双子座・乙女座・射手座・魚座
となり、常に周りの雰囲気や状況を察知して、時々にふさわしい対応を取る「世渡り上手」的な気質が特徴となります。一方、こうした柔軟な対応は
他人の意見に左右され一貫性に乏しい
といった側面もあり、その場をなんとかやり過ごそうとする「逃げの性質」でもありますので、言うなれば「その場は何とか丸く収めるけど根本解決にならない」という状況を生みやすい傾向にあります。
ちなみに、これまでご紹介してきました2つのモダリティ↓
■活動宮(カーディナルサイン)
星座占いにおける活動宮・カーディナルサインの役割と意味合い
■不動宮(フィクスドサイン)
星座占いでの不動宮(Fixed)サインの基本性質と行動特徴・接し方
そして今回紹介するミュータブルサイン、それぞれの頭文字を取って「CFM」と呼び、個々では具体的な説明は割愛しますが、ホロスコープチャート上では主にこのCFMの割合を見ながら、どの特性が強いかを紐解いていきます。
今回は、そんなモダリティのなかでも世渡り上手と言われる柔軟宮にフォーカスし、ミュータブルサインの星座を持つ人の性格や気質、柔軟宮の人との相性や付き合い方など、さまざまな視点でこのモダリティの特徴を掘り下げていきます。
なお、ミュータブルサインに属する4星座「双子座・乙女座・射手座・魚座」は、
四季の終わり・季節の変わり目を示す星座
ですので、次の季節に備えた準備の役割を担っていることから、
12星座のなかでも変化の象徴でもある星座
とも言えるのです。
例えば双子座の象意である「肺」は、常に新たな空気の入れ替えを行いますし、乙女座の象意においては、物事を改善して不要なものを破棄するといった、これまた変化を伴う気質を表しています。
つまり、モダリティの基本は以下のように
「それぞれの役割を担う星座が割り当てられている」と考えると分かりやすいかもしれません。
今回は、そんなモダリティのひとつ柔軟宮(ミュータブルサイン)について詳しくご紹介していきます。
上記でも軽く触れましたように、モダリティのひとつ「柔軟宮(ミュータブルサイン)」は、春分・夏至・秋分・冬至の四季の転換点にあたる星座で、柔軟星座などと呼ばれることもあります。活動星座と不動星座で保たれてきた事柄を
次の季節に向けて変化させる必要があるため
必然的に変化に向けた柔軟な対応が求められます。
例えば、春に種まきを行い、夏は成熟の季節、秋に収穫を行う、といった農作物のサイクルにおいては、季節の変わり目ごとに農作業の変化が生じ、次の季節に向けた準備が必要となることは言うまでもありませんが、その変化を促す役割を担っているのがミュータブルサインなのです。
つまり、時間の変化や時代の変化に合わせて、
何を最優先でしなければならないのか?
という判断力、最適な道を導き出す能力に長けているのがこの星座の特徴です。それと同時に、時々の変化に合わせて言うこともやることも変化してしまうため、悪く言えば一貫性がなく、自分の意志がないと思われがちなところも。
また、「一貫性」という観点では、一貫性の塊でもある不動星座としばし意見が衝突することも少なくありません。
≪不動星座・フィクスドサインの気質≫
物事に対して慎重・一度決めたものを容易に変えない
≪柔軟星座・ミュータブルサインの気質≫
状況・環境に応じてフレキシブルに対応を変化させる
ただし、頑固な不動宮に対しても柔軟に対応できる柔軟宮は、必ずしも相性が悪いという訳ではなく、物事に対して固執しすぎないよう
不動宮と柔軟宮でバランスを保つ
という関係性が成り立ちますので、意外と相性は良かったりする場合も珍しくありません。
星座別の組み合わせで言うと
といった具合です。
次に見ていきたいのが活動宮(C)との相性。
カーディナルサイン(C)の特徴や気質については、冒頭でもお伝えしたとおりですが、向こう見ずな性質が強いカーディナルサインと、状況判断が得意なミュータブルサインは、相性が悪い訳ではありませんが、
行動パターンがかみ合わずに双方が疲れやすい関係
になりやすい傾向にあります。
上述のとおり、ミュータブルサインの柔軟星座は、状況に応じて自らの意思や見解を変化させるのが得意なため、自分自身の欲が若干希薄であると言えますが、一方の活動星座は意志がハッキリしていて我も強く、
自己顕示欲が旺盛で根本的に価値観が合わない
という関係になることが少なくありません。
ただ、一括りに活動宮との相性はイマイチということではなく、自身の星座に対してアスペクト30度(セミセクスタイル)や120度(トライン)、150度(インコンジャンクト)の位置関係にある星座とは、「調和が取れる」というのが基本的な考えとなりますので(ただし、30度も150度もマイナーアスペクトで影響力は低い)、その点も加味して相手との付き合いを考えていきましょう。
変化の早い現代社会においては、状況に応じた柔軟な対応ができる柔軟星座のメリットは大きいのですが、やはり「一貫性のなさ」や「言ってることが変わる」という点に対しては違和感を覚える人も多く、信頼を失ってしまうことも少なくありません。
また、柔軟星座同士の相性においては、エレメント別に見ても
といった具合に、風(双子)と土(乙女)、火(射手)と水(魚)といった具合に、エレメント的にも相性の悪い組み合わせがあります。
逆に、火(射手)と土(乙女)といった相互関係の相性の良いとされる組み合わせにおいても、互いに柔軟星座であることで
気質自体は似ていて親近感は沸きます
が、感情を重視する「土の乙女座」と、野心や探求心の強い「火の射手座」とでは、心情が満たされる基準が異なるため、徐々に気持ちが離れていってしまう恐れがあります。
なお、男女共にミュータブルサインの恋愛・結婚においては、互いに執着心が薄いため、
別れてもすぐに次の相手に意識が向いてしまう
のも柔軟星座の特徴。
そして、別れた相手でも「元カレ・元カノ」といったこだわりもないため普通に友達関係でいられるのも、他のモダリティにはないミュータブルサインの能力のひとつ。
その他にも、協調性や理解力が高いため、柔軟星座同士のカップルは
という特徴も見られます。
性格面は個人差はありますが、根底には気質があるということを念頭に置いておくと良いでしょう。ゆえに、カップルでも「こうした関係が楽」という人も多いですし、物事を計画的にガチガチに固めるのが苦手な人も多いので、
男女問わず性格的にモテる
というのもミュータブルサインの特徴かもしれません。
いかがでしたでしょうか?
柔軟宮・ミュータブルサインは、その時々の変化に柔軟に対応できるという特徴に対し、一貫性がなかったり、薄情であったり、気持ちの切り替えが早すぎるといったネガティブに捉えられてしまう要素も多々あります。
気になる相手が柔軟星座であれば、そうした性質を理解したうえで、相手との付き合い方を考えるようにしましょう。
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